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Jグリさん 「よっ お兄さん達!鮮やかでやんした!」 ラトス様がいかに凄いかという講義を展開しようとした私の言葉を遮る不埒者がいた。ラトス様とは真逆の、強いて言うなら先程のゴロつきに近い風貌の男が目が見えない位伸ばした髪をかき分けながら人懐っこく話しかけてくる。 「あっしはグリさんってケチなもんでやんす。お近づきにとっておきの情報を無料でさしあげやす!」 これは!情報屋ね!冒険には的確な情報が必要、そう村にクエスト(ゴブリン退治など)をしに来た冒険者達に聞いた事があった。でも、このノリ…大丈夫なのかしら?だって…やんすって言ってるのよ? 「お話しは何でも助かります。どんな事でしょう?」 「このウツロイシティでの冒険が解禁になってから今まで。ギルド内で”三強”と呼ばれる存在が出来やした」 カシム君の問いかけに嬉しそうに語り出すグリさん。ビッと指を三本立てる。そして奥の席でスクロールに目を通しているラトス様を手の平で指し示す。 「一人目は“雷光の魔戦士ラトス” 本人の戦士としての力量!そしてパーティの総合戦力、何より現時点でギルドが発注しているクエストのポイント数がダントツナンバーワン!」 「なるほど、凄い人なんですねぇ」 ハイテンションのグリさんにマイペースなカシム君。 「二人目は…」 キョロキョロとギルド内を見渡すグリさん。 「珍しいな。この時間は大体いるんだけど。ええっと…二人目は”はぐれ聖騎士のケーン”って言いましてね。どこからどう見ても"蛮族の戦士”だっていうねぇ」 「はぐれ聖騎士? 聖騎士にはぐれってあるんですか?」 ギヒヒと品のない笑いを漏らすグリさんにカシム君は冷静に説明を求めた。 「ああ 紋章を付けてないんでやんすよ。普通、剣や鎧に付けるでしょ? だからはぐれってね。でもね、いいやつなんでやんす。豪快な感じでね♪」 何よりクエストで良い仕事をした日にはSALONに来ている冒険者全員に酒を振る舞ってくれる!そう言ってグリさんは涎を拭った。 「だからここではラトス様より人気者だよ。おっと!」 そう言ってから、しまったといった表情でラトス様の席をチラ見するグリさん。 「でね… 実力も豪快。パーティはここで意気投合した戦士や魔法使いと構成している感じだから、選抜メンバーのラトス様と比べちゃうと少し落ちるかな。ギルドのポイント数はラトス様に次いで二位!」 何故か少しだけ小声で伝えて来た。そのまま小さく三本の指を出すグリさん。はいはい、三人目ね? 「ここからは有料でやんす!」 「えーーーーーーーーっっ」 「…冗談でやんすよ?お嬢ちゃん♪」 …ぶん殴るのを我慢した私を褒めて。そしてグリさんは三人目について語り出す。 「三人目は…」 「俺の事かい?」 え!? その声は私の真横、カシム君の正面からした。
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