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㊲少女達の疑念 「…」 「…」 「おや?どうしましたか?リオリオにアウルムさん?」 「おかしいのです」 「そうだね」 笑顔でKを見送った後、俯き加減だったリオとアウルムはルリカの問いにやはり俯きながら答えた。 「マスターだったら、ポートが無くても何処へでも行けるよ。それに…子供モードのままってさ、回復が必要な状態から脱していないって事でしょう?」 「き 気のせいでは? 割とショタモードを気に入ってるんじゃないかと…」 「マスターの笑顔… いつもと違うのです。この前からずっと気になってたんですが… まだ記憶がお戻りでは無いのではないかと…」 「あ ああいう顔なんじゃ…」 「絶対何か隠してる!ボクの薔薇色の脳細胞がそう言っている!」 「何で打ち明けて下さらないのでしょう… 私の力不足でしょうか…」 「いや… お二人とも落ち着いて… ね?ね?」 続けざまの展開にたじろぐルリカ。そのルリカに二人の顔がグウウッと迫ってきて、 「ルリカは!」 「ルリカさんは!!」 二人の視線がルリカを射貫く! 「ひぃぃぃ…」 「どう思う?」 「どう思いますか??」 「わ わわ わたしはーーーー」 避けられない。逃れられない。リオとアウルムの手がルリカの肩を捉えて放さない。 「マスニーは… な ナニカカクシテイルトオモイマスネー」 全力で視線を反らしながら何故か片言で無難な回答をするルリカ。 「やっぱり!」 「そうなのですね…」 「ぐわぁ おっ!」 返事を聞くと同時に勢いよく解放されたルリカは召喚部屋の床を四回転半して正座という着地を決めさせられた。 「あら〜 皆さんおそろいで?」 ”もわもわ〜ん”と演出込みの桜色の煙幕と共に現れたのは、召喚術士Mことマナであった。 「あ マナさん」 「マスターのお姉様!」 「あら〜 リオちゃんにアウルムちゃん可愛い〜」 「…」 満面の笑みのマナに、何故かお口チャックのルリカ。学習しているのである。 「あの… お姉様。不躾ですが、教えて頂きたい事があるのです!」 「あら?何かしら? あ ちょっと待っててね。カムアにお土産を持ってきたんだけど」 「マスターなら出かけちゃいました。一ヶ月のお仕事とか言って」 「まぁ… またあの子は…」 お土産とはKが幼少期を過ごした東の国のお菓子であった。皆さんでと渡されたアウルムは暫し中座してお茶を用意しに行く。そして− 「こんにちは マスターのえっと… お姉様」 「ハロハロ〜」 戻ってくると二人増えていた。ティアとアイシャである。 「ずっと召喚部屋の外で待っていたようなのです。お二人もまたマスターを案じておられます。ですから…あの…」 お茶を淹れ和菓子を楽しむ暫しの時間さえ、待ちきれない様子でアウルムがマナに尋ねた。 「まぁ〜 カムアったらしょうがない子ねぇ こんな良い子達に悲しい顔をさせて…」 まずは事情を聞くマナ。館に戻ってからのKの行動、そして出立の様子を聞く。 (なるほどね… 私の予測よりもずっと早く”捉えた”のでしょうね。それは喜ばしいけれど) 思案しているマナの顔を覗き込むアウルム達の眼差しは真剣であった。 (この子達に充分なフォローもせずに出かけるなんてねぇ…) Kの思考はまだ子供時代のままであったし、タイムリミット付きの呪いが発動中でもあったから、致し方ない事だったかもしれない。
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