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㊴リオとアウルム 「ウイッシュかぁ…」 話が壮大すぎてピンと来なかったリオだったが、そんなものを当てにしないとならないくらいKが追い詰められているのではと理解したのは、解散して、ルリカを尋問して、魔界にある農場に戻ってきて、温かいミルクを飲んで、ミニガーゴイル君達と草むしりを始めた頃だった。 「…言ってくれれば良いのにさ」 いつもこうだ。肝心な事は何一つ話してくれない。 「今回だってきっと一人で解決してしまうんだ。きっと…」 心なしかミニガーゴイル君達が心配そうな視線をリオに向けているようである。 「……」 リオは心を静めるように… 気がつけばただ無心となって草むしりが捗っていった。 ”ガチャッ” 召喚部屋を出てきたのはアウルムである。皆でルリカの尋問を行った後、再びマナに話しに言ったのだ。 (ウツロイシティの下調べは、あくまで下調べでした。だったらマスターは何をお考えになったのか…) 加えて一時帰宅した時に感じた違和感。アウルムはそれが拭えないでいた。 「従魔…ですか」 あの時マスターは何で悲しそうな顔をしたのだろう?それが引っかかっていた。 マナにルリカより聞き出した情報をフィードバックした時に、思い切って聞いて見ることにした。 「あら、そうだったの。うーん、それは…」 一瞬口ごもったマナは、アウルムに向き合うと昔話をした。 それは魔界住みのカムアの少年時代の話。マナと共に新たな召喚契約術を編み出した曾祖父の話。そしてカムアが友達と契約術を行使せずに付き合っていた事。そんなカムアを慕った友人達が人間界へ戻るカムアを契約術の範疇を超えた絆で追いかけようとした事。 全てを聞き終えた時、アウルムの頬を涙が伝わっていた。 「あ アウルムちゃん、マスターは… あ アウルムちゃん?大丈夫ですか?なんで… 泣いているのですか?」 廊下で遭遇したリリーがアウルムの異変に気づいて心配そうに顔を覗き込む。 「私は… 間違っていたのです。マス…ぐすっ ターのお気持ちを…」 後は言葉にならなかった。
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