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=41.非公式訪問= ルブルより東… 東の大国との交易で栄える商業都市を中心としたエリアが”魔導公”レイエン領である。その居城には幾重もの魔法防御が施されているが、これは”災厄”の魔王の襲来時の反省からであった。 =リュネット達がリオ達に追いついた頃= レイエン城の大広間に漆黒の衣を纏った術士が舞い降りた。簡易移動用の魔方陣からである。東の国の墨で書かれたそれは、通常の魔力検知に引っかからない。効力も弱いため活用には術者の力量が求められるが、その秘匿性は抜群であった。 「これは… カムア殿か? 久しいな。災厄戦以来であったか?」 「突然の… それも非公式での訪問とご無礼をお許し頂きたい。レイエン公… レーヴァ様」 大広間には当主レーヴァ・レイエンがただ1人でいた。レーヴァはまだ20代半ばであったが、眼光は偽りを射貫く程に鋭く、その佇まいは領主のそれにふさわしかった。非公式に、さらに勝手に作った魔方陣からの来訪などは許されなくて当然であり、無礼打ちをされても文句も言えない行為だったが、この若き領主はカムアの姿を認めるや笑顔でそれを許した。 「しかし…いつの間にこのようなものを?」 「三月ほど前です。これも本日の非公式訪問の理由と同じなのですが…」 「カムア殿も部下も咎めんから、方法を教えて貰いたいな。災厄戦以降、万全を期していたのに…こうもあっさりと突破されるとな」 セキュリティ担当の部下も不問にするという。カムアもレーヴァのあまりにも清々しい対応に正直に応える事にした。 「魔方陣に用いたのは墨。退魔師の技です。そして、設置したのは完全な人力…といえば宜しいかと」 三月前、”ある事件”の関係者としてレイエンの名前に当たったKが、黒服になる前のやさぐれルリカに元密偵の実直を見込んで魔方陣設置を依頼したのである。相手は魔法防御に長けた名家。しかしルリカは完全な人力で依頼を成し遂げていたのだった。(フフフ お子様には言えないような手を使いましたよー) 「ははは。そうか。魔王が入れなくとも、普通の人間が入り込めると?これは一本取られたな」 「恐れ入ります…」 「ふむ。再会の挨拶はこのくらいにして、本日の訪問の目的を聞いた方が良いな。カムア殿」 柔らかい物腰でレーヴァが話を本題へと戻したのは、Kが悲しげに視線を落としていたからだった。災厄戦時の共闘でKの人となりを知っており、戦後もその使役魔物達の安全な保護のために奔走している事も知っていたレーヴァは、Kが余程の覚悟での非公式訪問しに来た事を理解していたのだ。そしてその目的も…。
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