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㊶アウルム総帥の演説 ここはサキュバスSALON『ド・レイン』 けっこう安全な魔族との異文化交流サロンである! サキュバスがメインの、いつもは華やかなSALONであったが、この日ばかりは悲しみに満ちあふれていた。 普段は露出多め!の衣装に身を包むサキュバス達が黒一色の喪服を纏っている。 華やかな美と淫をテーマにしたステージもまた黒と白の幕で覆われ、今ステージに黒の正装で現れたのは我らがアウルム総帥である。付き従うのはやはり正装を…落ち着かない様子で着ているリリー。 いつもとは違った様子に戸惑いを隠せない得意客達。 フロアが暗転し、魔晶石より発するステージライトがアウルム総帥を照らし出す。 今ここに、歴史に残るカムア追悼演説が始まるのであった。 「諸君!我々は最愛のマスターを失った。しかしこれはド・レイン閉店を意味するのか?否!始まりなのだ! ルブル市街に比べ、我がド・レインの立地は魔物も出る最悪な場所である。にもかかわらず今日までやってこられたのは何故か?」 「それはアイシャが素敵だからさ!」「むっ 演説中に私語を慎めレアニウス!」「なんか一人増えてるが…誰だ?」レアニウス・パイロン・ゲインのジェットでストリームな駆け引きをとりあえずレアニウスを踏みつけて黙らすアイシャ。 「俺を踏み台にし… げふっ」グリッ!言い切る前に沈黙させるアイシャの美脚力! 「諸君!我々サキュバスの魅力が最高だからだ。これは諸君らが一番知っている。 我々の多くは人間に追われ、魔物として討伐されかかった。魔族戦争後一握りのエリートらがこの地に膨れ上がった人間界を支配して30余年、魔界に住む我々が人間界に出てきた時、何度踏みにじられたか。 ド・レインの掲げる人と魔族一人一人の自由のための交流を神が見捨てるはずはない。 私の主!諸君らも愛してくれたカムア・ローは死んだ!」 「死んでないですよー」バーカウンターの中でリオが呟く。 「何故だ!?」クライマックスのアウルム総帥。 「坊やだからですかねー」 チャキっとサングラスを着用したルリカがカウンター席で呟く。 「店内でサングラスって…」「ふっ リオリオもお子様ですねー♪ 匂いですよ〜」「え、僕、なんか匂う?」噛み合わない会話。良い意味で噛み合う二人。 「新しい時代の平和を選ばれた民が得るは歴史の必然である。ならば我らは襟を正し、この難局を打開しなければならぬ。 我々は過酷な人間界を生活の場としながらも共に苦悩し、錬磨して今日の文化を築き上げてきた。 かつて、カムア・ローは人と魔族の交流は魔界の民たる我々から始まると言った!」 「言ってたっけ?」ティアがグラスを磨きながら呟く。 「しかしながらギルドの反対派共は、自分たちが人間界の平和を守れると増長し我々に敵対する! 諸君の客もその反対派の無思慮な差別の前に干されていったのだ!」 「いや、俺は干されてないぞ!ぐわっ」反論するレアニウスを踏み抜くアイシャの御御足。「この悲しみも怒りも忘れてはならない!それをカムアは!死をもって我々に示してくれた!」 「これはもう…死んだって事で良いか」苦笑のリオ。 「我々は今、この怒りを結集し反対派の暗殺者に叩きつけて、初めて真の勝利を得ることができる。この勝利こそ主たるカムアへの最大の慰めとなる! サキュバスよ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ!サキュバスよ! 我らド・レインのキャストこそ選ばれたサキュバスであることを忘れないでほしいのだ。優良種である我らこそ人間族を救い得るのである!」 「ドー・レイン!」演説を店名で締めくくったアウルム総帥。 「ドー・レイン!!」「ドー・レイン!!!」 感銘を受けたキャストと顧客が一堂に店名を連呼する。 こうして店主であるカムア・ローはなんだかんだで死んだという事になった。
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