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㊷夢の向こう側 「ドー・レイン♪ むにゃむにゃ」 「…リカ! ルリカ!!」 BARのカウンター席。不可思議な寝言を連呼しているルリカの耳元でリオが呼びかけのボリュームを上げていった。 「うひゃっ あ リオリオ〜 お目覚のちゅー〜〜」 ガシッ! 何処かで学習したらしい片手でルリカの頭をキメたリオは、お目覚のチョコをルリカの口に放り込んだ。 「なんだい、ルリカ。ドー・レインって?良い夢でも見たの?」 「あ なんだ。夢でしたか」 まさかの夢落ち! …ではない。確かにルリカの夢ほどの演出や過激発言ではなかったが、昨夜アウルムによるKの偽装店葬が行われたのだった。 「マスターの暗殺が成功したとすれば、SALONの危険度が下がるという一点では賛成ですがねー」 マスター不在による危険もまたあるだろうとルリカは推察していた。 「だから来たんでしょう?あの人が」 事前にマナに相談した案件だったので、すぐさまあの男が招集された。 「ラプルス様の事だね?」 「ふひゃっ!?」 ルリカでさえ気づけないほどの希薄な気配。貴族服の少年がそこにいた。 「じ ジーコさんか、心臓にわるいよ」 「ごめん。もうちょっと魔素でも垂れ流せば良いんだよね。わかってるんだけどさ」 ジーコというのは、Kの伯父であり錬金術士であるラプルスに付き従う”チャイルド”と呼ばれる少年達の一人である。 ラプルスが自動人形・ホムンクルス・ゴーレムなどの技術の集大成とするチャイルドたる彼らは、その容姿も言動も人間のそれと変わりない。そしてその戦闘力と言えば。 「あのトパーズが赤子同然だったからね。これなら安全かぁ」 「我々もいますからね?リオリオ? …リオリオ?なんでこっち向かないんですかーー?」 そして特記戦力の固まりである黒服団。これは確かに万全のセキュリティといえた。 「あの追悼演説はSALONは勿論ですけど、マスニーの安全も考えてでしょうねー」 呪戒虫事件の直前には、暗殺者部隊の侵入事件があった。その時にKに対しての大がかりで厄介な暗殺計画が存在する可能性が浮上したのである。故の偽装死亡であった。
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