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=47.一振りの剣= 「一度死んだ俺は、師とご夫婦の縁者のおかげで甦りました。それからは…守ろうって想った奴は守り抜くって決めたんですよ」 アッシュが目を開く。今度はアッシュの視線がレーヴァを射貫いていた。 「そうか… 私が君に感じていたのは、既視感だったようだ。」 レーヴァはアッシュに背を見せると、謁見の間に飾られている祖父と父親の肖像画を見上げた。 「偉大なる祖父。父もまたレイエンの名を継ぐにふさわしい英雄であった。その父が若かりし時に市井の女との間に出来た子が私だ。母は私を出産してすぐに亡くなったが、父が話してくれる母はとても素敵な女性でな。私は母の子として生まれた事に感謝をしている。」 そう語るレーヴァの声は優しかった。 「だがな…。大公の血筋、レイエンの系譜としては私は”ふさわしくない”のだ。母の血統に亜人の血が入っていたらしく、私はレイエンの家の者とは思えないほど”魔力素養”がないのだよ。その後、父が然るべき家柄の女性と結婚した。正妻となった"母”は私を可愛がってくれた。私も”母”を慕った。そして弟達が生まれた。血統としても申し分がない。次兄であるリジルは魔力素養も随一だ。なのに…だ。父は私を後継者とした。私は辞退したのだ。ふさわしくないと。」 実際、後継者に弟リジルを推す派閥もあった。自分の事で血族が割れる事などあってはならないとレーヴァは考えたのだ。 「だが父が言うのだ。"母”がそれを望んだと!わかるか?異端たる私を…。"母”からしたら自分の腹を痛めた我が子を後継者にと思うのが普通ではないか?災厄戦で父が亡くなった時、私を奮い立たせてくれたのは"母”だ。リジルは私が魔族と戦えるようにと命を削る苦労で魔具を作ってくれた。家臣達も私を認め、命をかけて戦ってくれた。だから私は”戦えたのだ!”」 圧倒的不利な状態からの起死回生は、こういったレイエンの結束によってもたらされたのである。 「そして私は誓ったのだ! ”レイエンを守る一振りの剣となろう”と。どんな敵も打ち倒す最強の一振りになろうと!」 そう話すと、レーヴァはアッシュを見据え、再び”決闘”の構えをとった。
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