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Hパーティ結成! 「ふむ… ちょっと待っていて下さいね」 不意にカシム君が立ち上がった。 「え… あの…」 私は目で追うしかなかった。カシム君はスタスタとカウンターへ行き、ネムさんと何かを話している。…随分と長い事…。 (何を話しているんだろう? …まさか口説いていたり!?) 年下の少年が年上の綺麗なお姉様に!?そんなストーリーが頭の中で渦巻く。 「…さん?リーマさん?」 あっ 涎が…。ゴシゴシと腕で拭う。何よ!カシム君にとっては理不尽でしかないだろうが乙女の照れ隠しである。私に睨みづけられたカシム君は一瞬怯みながら意外な話をしてきた。 「ですから、宿の手配をして貰いました。勿論シングルで取ってます。これもご縁ですから遠慮無く使って下さい」 「え いやそれは…流石に悪いから」 突然の申し出に私は面食らうなんてものじゃなくて…。 「でも… 泊まる所ないでしょう? …あれ?気がついてませんか?」 「???」 多分私はこれまでの人生で一番のキョトン顔をしていたと思う。 「バックパック… ボロボロです。これじゃあ中身は…ねぇ?」 はっっっ!? 形見の聖剣を降ろしてバックパックを降ろすと…いや既にそれはバックパックだった布切れとなっていて…。 「わ 私の全財産が…」 恐らくは最初の衝撃音の時に破損したんだ。グランドワームに追いかけられてからは一切触れてないしダメージも受けていないから。 「なので、何かしらのアイテムをゲットするなどして資金繰りが付くまでという限定条件でならシングルをお使い下さい。受付の…えっと…ネムさんだったかな。少し割り引いてくれましたし、僕の所持金でも数日なら大丈夫なので」 「あ ありがとう… その…本当に…」 なんて言おう。なんとかお礼は言えたけど。でも…わたし資金繰りなんて出来るのかな…。不安が再び翼を広げて私を覆い潰そうとしてきた。目の前が暗くなる。いや灰色か。見えるものが白黒だなんて、なんて私は脆いんだろう。 「あと迷惑でなければ… 準備が出来次第という事にもなりますが、今後のクエストなどの情報も共有させて頂いて。内容によってはご一緒しましょうか」 「!?」 なんだろう。カシム君の一言で一瞬にして私の視界に色が戻った。なんで?なんでそんなに優しく… まさか私の体が目当てなんて事は?? そんな失礼な邪推も出来るくらいに私の精神は回復どころか増長していた。 「あ ありがとう。カシム君」 「いえいえ。僕もパーティとかどうしようかと思案してましたので」 そう言って笑うカシム君。本当に謎な人だ。職業もやることも。でも不思議と元気をくれる。こうして私はカシム君とパーティを組むことになったのです。
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