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>>881 さよならもいわずに (著:上野顕太郎) この作家の認知度はかなり低そうに思いますが、私はかなり以前から好きでした。 独特な味のあるギャグマンガ家で、非常に緻密でリアルな絵柄から「コストパフォーマンスが大変悪い」などとも言われています(もちろん褒め言葉です) このマンガは作者自身の体験を描いたドキュメンタリーと言うべきものです。そこに綴られるのは 妻の死 死。 それが訪れるのは身近な誰か、あるいは自分かも知れない。定命の存在である我々が決して避け得ないもの。 作者の妻は34歳で亡くなったそうで、病気がちだったとは言え当分その日は来ないものと思っていたに違いありません。 死の当日からその後約一年を赤裸々に綴った内容は、凄まじいばかりの迫力を持って我々に迫ります。 作りものではない台詞の数々、持てる技術全てを駆使した心理表現、どこまでも緻密な描画、そのリアリティは圧巻の一言です。 そして紙面から溢れる妻への愛。 それは、さよならもいわずに去って行った妻への「さよなら」だったのでしょう。 この2冊のマンガ、内容が内容だけに「不謹慎だ」と言われかねない代物だと思います。 しりあがり寿氏は 『「たとえ間違えているとしても、今、描こう」と思いました』 と自らの心情を本の帯文にしています。 また、上野顕太郎氏は本の冒頭で 『(前略)まして自分は表現者だ、これを描かずにいられるだろうか。 いや、あえて俗っぽく言うなら、 表現者にとっての「おいしいネタ」を描かぬ手はない。(後略)』 と語っています。 「今」でなければ描けないものがあるのなら、それを全力で追いかける。自らの仕事に真摯に取り組むその姿勢には感動を覚えます。 いや、あるいはそれは、漫画に魂を捧げた者達の「業」なのかも知れません。 決して避けられないものがある。 目を背けてはならないものがある。 ならば我々は、それを真正面から見据えるしかないのです。
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