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[2]匿名
09/15 12:02
中原中也「頑是ないうた」
思えば遠く来たもんだ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛(きてき)の湯気(ゆげ)は 今いずこ
雲の間に月はいて それな汽笛を耳にすると 竦然(しょうぜん)として身をす くめ 月はその時(とき)空にいた
それから何年経ったことか 汽笛の湯気を茫然(ぼうぜん)と 眼で追いかなしくなっていた あの頃の俺はいまいずこ
今では女房(にょうぼう)子供持 ち 思えば遠く来たもんだ 此(こ)の先まだまだ何時(いつ )までか 生きてゆくのであろうけど
生きてゆくのであろうけど 遠く経(へ)て来た日や夜(よる )の あんまりこんなにこいしゅては なんだか自信が持てないよ
さりとて生きてゆく限り 結局我(が)ン張(ば)る僕の性 質(さが) と思えばなんだか我(われ)なが ら いたわしいよなものですよ
考えてみればそれはまあ 結局我ン張るのだとして
そして
昔恋しい時もあり
どうにかやってはゆくのでしょう
考えてみれば簡単だ 畢竟意志(ひっきょういし)の問 題だ なんとかやるより仕方もない やりさえすればよいのだと
思うけれどもそれもそれ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気は今いずこ
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