スレッドへ戻る

[22]引越屋
emoji[clock]03/14 21:06
もう、十数年前のことです。

私が引越会社で支店長をしていたころの話しです。

8月中旬に見積り依頼の電話がありました。本来ならばコールセンターに入るのですが直接、支店に連絡が来ました。こうした方も稀にあるので、違和感はありませんでした。

「引越をしたいので、本日中に見積りを。」

という内容でした。

支店営業マンの予定は前日までに組みますから、「本日中」という見積りには対応出来ませんでした。しかし、「どうしても今日中の見積りを…」という希望なので、私が伺うことにしました。

訪問時間は8月中旬の16時でした。

二階建てアパートの二階。2DKでした。

見積りに伺うと、満面の笑みのおばあちゃんでした。

一通りの家財を確認して、荷造りは別居の娘さんが手伝ってくれるから必要ないとのことでした。

かねてより、別居している娘さんと同居したかったのが、やっと叶う…とのことでした。

即決で、ダンボール、ガムテープ等の梱包資材を置いて引き上げました。

見積りは8月中旬。引越予定日は9月中旬でした。

8月の終わりに、そのおばあちゃんの娘さんから、支店の私宛に引越キャンセルの連絡が入りました。

その、おばあちゃんが亡くなったとのことで、ダンボール等を回収して欲しいとの依頼でした。

娘さんとお話しをしている中で、おばあちゃんが亡くなったのは7月下旬だと知りました。

えっ? 私が見積りに伺ったのは8月中旬ですよ? おばあちゃんの家にある、梱包資材を置いたのも見積りに伺った、8月中旬ですよ?

その梱包資材を回収する際に、見積りをしたおばあちゃんの部屋で、娘さんとお会いしました。

私の方からは、見積書の日付、公用車のドライブレコーダーの記録、見積り依頼の電話録音を持参しました。娘さんは死亡診断書を持参されていました。

娘さんに確認したところ、見積り依頼の声はおばあちゃんに間違いないそうです。そして、支店に記録された着信記録からの電話番号も、おばあちゃんの部屋からで間違いないとのことでした。

7月下旬に亡くなったおばあちゃん。8月中旬に見積りをした私。

では、私は誰の依頼で、誰と見積りをしたのでしょう……


その部屋は9月中旬に引越屋ではなく、娘さんが依頼した遺品整理の会社が撤収した模様です。

謎なんです。今でも…

(これは私が体験した実話です。)


[削除|編集]

スレッドへ戻る
☆あにまち ぱれっと☆
掲示板カテゴリ検索
写メ/待ち受け 動画/ムービー
音楽/エンタメ 雑談/その他
趣味/スポーツ

無料レンタル動画まとめe-Movie
無料レンタルBBSebbs.jp