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=1.舞い降りた厄災= 「おい。明るいうちに帰るぞ」 「ああ、最近は魔物が多いからなぁ…。そういえばギルドの方はどうなったんだ?」 「通常の依頼として”冒険者"達に提示はしてくれるそうだが、それ以上の対応は無理だとさ」 ルブルの郊外に『オンス』という亜人達の村がある。フォクシー族というが、コボルトとは違ってほぼ人間の姿だ。耳や尻尾があり、身体能力も人間より高く、鼻もきくため、狩猟を得意とし、男達は隣接する森林地帯を狩り場としていた。その狩り場に異変が起こった。魔物を散見するようになったのである。いや元々魔物もいる森ではある。だが"異質”だったのだ。 「俺が考えても変だと思うぜ? ゴブリンやコボルトがゾンビや骸骨と仲良く歩くかよ?」 「また何処かで魔王とかが出てきたんじゃないかって、前の戦争を知っている年寄り達が心配してたからな。それでギルドや辺境隊に依頼に行ってるのに!」 村にはまだ被害はなかったが、奇妙な魔物の群れの出現と行動が"何かしらの意味”を持つとしたら…。それを危惧した村長がギルドや辺境隊に報告に行ったのだが、まともに取り合って貰えなかった。男達は今後の事を夕飯でも食べながら話そうかと家路を急いだ。しかし…。 ”ドゴォン!” 爆煙が上がる。男達が狩りから帰ってきてすぐに”厄災”が舞い降りた。 「なんだ!?こいつら!!」 「なんで魔物がこんなに!?助けてくれぇ!!」 ”火球”魔法とおぼしき爆発の後に雪崩れ込んできたのは魔物の軍勢だった。ゴブリンやオーク、コボルト等の亜人種が中心であったが、大型の猛獣や、スケルトンやゾンビといったアンデッドもいた。狩りの帰り道に男達が懸念していた"魔物の群れ”、明らかに自然発生した軍団ではなかった。身体能力が通常の人間より高い亜人達であるが、統率された魔物達には為す術がなかった。 =1時間後= 村の広場に村人の死体が積み上げられ、そして生き残った村人はゴブリン兵によって包囲されていた。 「思ったよりは上出来でしたね。流石は僕の使役魔物達です。」 闇夜を模したような黒衣を翻し、術士らしき男が呟く。 《報告します。村人の数名が逃走しました。追撃致しますか?ギギギ》 悪魔を模した彫像が話しかけた。恐らくは魔法生物の類いであろう。思念波による報告を黒衣の男は一笑に伏した。 「捨て置いて良いと思いますが、当初の目的通りに、西へは”死人兵”を派遣しておきなさい。さて…と」 男は魔法生物に指示を出すと、ゴブリン兵の包囲を解き、村人達の前に歩み寄る。 「私たちをどうするつもりだ?」 尋ねたのはオンスの村長だった。 「ああ、そうでしたね。処遇をまだ話していませんでした。」 黒衣の男は、この場にはそぐわない爽やかな笑みを浮かべ宣言する。 「貴方たちには、僕の実験に協力して頂きます。光栄に思って下さいね?あの”災厄”と二つ名の魔王を排除し、国王に”十二聖王騎将”と爵位を賜ったこのカムア・ロー 召喚術士Kの役に立つのですから」
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