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=25.Kの契約= 「あれ?わたし生きてる?…って飛ばされてない?おお!いえーい!」 のたうち回り、嘔吐いている偽Kを眺めながら、自身の無事を歓喜するルリカ。 「え? なんで無事なの?」 「ええ。それは当然でしょう…」 リオの問いにリュネットが微笑みながら答えた。 「だってマスターは… 私達にそのような契約を施していませんから…」 「そうだったっけ? 飛ばされるとか… うーん」 リオが失念するくらいKの契約は仲間としての通常契約のみだった。サロンを始めるに当たってKが施したのは、ドレイン抑制とお客のエナジー量やレベル量の減弱から警告を発する術と、契約違反を把握するための術のみ。飛ばされるのはKの絶命と同時に館ごとであり、館そのものと紐付けられていた。それらも国の方針転換にあわせて、更に簡略化されている。 「ぐげ…なんて事をするんだ… このガキは…」 「美少女の腹パンはご褒美!ムマ」 ルリカを睨み付ける偽Kに、ティアの持つラピスラズリからひょっこり顔を出したナイトメアが呟く。 「それに…なんでだ? サキュバスや凶悪な魔物を…縛り無しで契約だと?ありえない…。なんで生きていられる?死ぬだろう?他の魔物だって…何かの拍子に…。なんでだ????」 腹を押さえながら偽Kが絶叫する。 「確かに…」 「よく干からびてないか?特にミナやマリエルに吸われた時とか…」 「この前はアルソッ君にかじられてましたよー」 「よくエリクサー飲んでるのだー」 「なんだかんだ死なないのよね」 話に花が咲く。 「とにかくっ ボク達とマスターとの絆は、おまえなんかにはわからないものなんだ!!」 「…リオリオ…そういう事はわたしの腹パンより前に言わないと説得力が…」 ボケとツッコミの逆転現象。 「ふざけるな… 縛りなしだなんて… 自身はともかくSALONはどうなんだ?安全と言えるのか?おまえらが羽目を外したら死人が出るんだぞ?」 立ち上がり、リオ達と距離をとる偽K。ルリカにツッコまれないように先手を取るリオ。 「もちろんさ。ボク達はマスターの信頼を裏切らないんだ。確かに自由だけど、楽しく異文化交流のためのSALONを運営してるんだ!ボク達のSALONはあんぜ…」 『あらリオちゃん♪魔の部屋はなかなか楽しいわよぉ♪』『リオさんは白?じゃあ私は黒にしておこうかしら♪』リオの頭に赤髪と緑髪の”大食らい”の大先輩の素敵な笑顔が浮かび上がって… 「ボク達のSALONは… ”けっこう”安全だよ!!」 「リオたん… 肝心なところが、あいまいですよー」 ボケとツッコミの逆転現象。 「さて♪クライマックスですかねー♪もうちょっとボコってから、黒幕を吐かせましょう!もしキマイラでしたっけ?呼ぼうとしたら…」 にこにこ笑いながら、スチャッとドレインナイフを再装備した。 「サク♪ ですがねー」 「くそ… おまえ達なんかに…」 既に偽Kの顔には余裕はなく、逆にルリカはといえば…それはそれは楽しそうに微笑んでいた。この状況での下手な抵抗は、偽Kに死をもたらす可能性を上げるだけであろう。 「待って… 下さい…」 リオの背後から飛び出したケリーが、ルリカの腕を掴んだ。
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