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=29.エルファスとフリッツ= 「せっかく君の怨みを晴らす手伝いをしてあげていたのに、これくらいで根をあげるとは… 君にはがっかりですよ。」 「フリッツ… 君には感謝している。しかしケリィが来てしまった以上、ここでの仕事は終わりだ。それに… もう目的は完遂していると言っても良い… ほどなく主は事を成し遂げるだろうからな…」 エルファスがフリッツに向かい、ケリィを後ろに隠したのは、フリッツという男がレイエン家の威光など視野にも入れないという事だろう。 「おお!そうですか?ついに”あれ”が完成するという事ですね?それは結構♪では…」 フリッツが持っていたロッドを地面にたたきつけた。杖の宝玉が割れ、中から巨体のグレーターデーモンが現れた。 「…これも実験体…いや…グレーターデーモンをベースにした”キマイラ”!?」 それは異形の悪魔だった。体に無数の顔が浮かび、背中からは蝙蝠状の羽だけでなく蛇のような触手を生やし、その皮膚はより硬質化しているように見える。そして、そのあふれ出てくる魔素のオーラが先程の実験体の比ではなかった。 「ああ、そうだ?そこの小さいの。何故私がエルゼでないと分かりましたか?私の催眠は魂レベルで効くはずですが?」 「はぁ… 初歩的な事ですよ。エルゼは既におまえより上に行ってます。それを知らなかったんでしょう。それにメスガキ(サナの事)を知らないというのも全然頂けませんねー」 フリッツが擬態したエルゼはネクロマンサー時代のもの、ルリカはノーライフキング化したエルゼを知っていた。そしてサナというマリオネット師の事も。 「なるほど。私より新しいエルゼの情報を知っていたと。それでは仕方ありませんね」 フリッツが微笑む。エルゼがこんなに爽やかに微笑む事もないだろうとルリカは思う。 「こんな奴の相手をしている暇なんてないな。早くKのところに行こうぜ!」 構えつつティアが撤退を提案する。 「ああ それなら無理ですよ。まだエルファスが言ってませんでしたか?ここはね…」 フリッツが手を振ると、グレーターデーモン・キマイラが無数の火球を作って放出した。それはリオ達を狙ったのではなく、四方の壁に炸裂した。壁は爆散し、そこから見えた風景は異質だった。人の世の何処にもなさそうな木々、そして黒い空。フリッツが不敵に笑う。 =ここはね…魔界なんですよ=
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