コピー
㉜アウルムの不安 一週間後− 「戻りました〜」 誰に向かって? 突如召喚部屋に帰ってきたK(注:少年モード) 「あ!」「まぁ〜」「るりっす!」「ハロハロ〜」 迎えたのは失踪したKを心配して召喚部屋に入り浸っていたリオ・アウルム・ルリカ・アイシャの四人。あの時居合わせたメンツのうち、ティアはSALONへ出ており、ネモフィラは任務の一次帰投中だった事から任務地へと戻っていた。 「タン(注:ティアのこと)も心配してたんですよー。でもマナさんが着いているだろうからとやせ我慢してました」 大切な友人のフォローをするルリカ。 実際ティアのやせ我慢はいじらしかったらしい。何故かやけ酒に付き合わされたナイトメアは三日目あたりから姿をくらましていた。 (そういう意味ではメアたんも失踪中ですねー) 今更気づくルリカだったが、Kの記憶がどうなっているかなど気になる事が解決していないために再び心にしまい込む。 「元気そうで何よりでした。マスター。召喚部屋の床が血塗れだったから心配したんですよ!」 そういって自慢のバストを意図的にKに向けるのはド・レインの演出家にして料理長でもあるアイシャ。その自慢のショーでは観客の鼻血でSALONの床が血塗れになると言われいてる。(鼻血だけですかねー?byルリカ) 「ああ、大丈夫ですよ。リオ、アウルム、アイシャ、………えっと…ルリカ」 「私の時の間はなんだーーーー?」 「召喚術士ジョークです」 つまらないジョークであったが、Kの帰還に笑顔が戻る。 「マスター? もう記憶とかも大丈夫です?」 リオがわざとKにぐぐいっと近づく。 (心配する振りをして、この前の赤面を引き出そうとしてますねー) 何故か温かい目で見守るルリカ。 「ええ、まだ完全ではありませんが… ああ、そうだ!それもあってガーゴイル君とMarkUを使いたいんです。リオ?連れてきて貰えませんか?」 「えっと… はい」 リオの落胆はKが通常に戻ってしまった事だろうか。それとも− 「あの… マスター? もしお疲れならマッサージなどいかがですか?」 Kの記憶が戻ったのは喜ばしい。ただ失踪中にまた無理をしたのではと推察も容易だったアウルムはKに魅惑的な奉仕を提案する。 「ありがとうアウルム。まずはやらなくてはならない事をしてしまいたいから… また今度お願いします」 「そうですか… 無理はしないでくださいね。マスター」 残念だが奉仕とは相手が望むようにと心得ているアウルムは見事に引き下がった。 「ですがお忘れにならないで下さいね。私は…いえ私たちは貴方の従魔なのです。貴方が望めば何でも致しますから…」 この言葉を− 後にアウルムは後悔する事になる。勿論このアウルムの言葉に間違えなどない。むしろ主たるKが感涙しても可笑しくない言葉なのだ。しかし”今のK”にとっては…。 「従魔…ですか」 「ええ!それに人と魔が理解し合えるSALONで働く機会も頂いて!感謝しても仕切れないのです!」 満面の笑み。それは心からの感謝の言葉だった。 「ですから最高の奉仕でお返しをしたいのですよ〜」 「…そうですか… ありがとう、アウルム」 心なしか力なくKが感謝の言葉を口にする。 「はい!マスター。お待ちかねのガーゴイル君達ですよ」 バンッと召喚部屋の扉が開いて、不満顔のリオがガーゴイル君達を招き入れた。 「ありがとう、リオ。では皆さんも… ちょっと作業をしたいのでお部屋に戻って下さい」 優しく… でも実務的な感じでKが告げた。 「ではお四季に〜(注:お先にの意味)」 「じゃあまたね〜 マスター」 「では失礼します…」 速攻でルリカがリオと、そしてアイシャが悩ましげに、最後にアウルムが礼儀正しく召喚部屋を後にした。 ”ぎぃ〜 バタン” 「…なんだろう… 何かが…」 アウルムが呟く。 「あ アウルムちゃん! マスター帰ってきましたか? リリー、マスターが帰ってきたら読んで欲しいご本が… …アウルムちゃん?」 「あ リリーちゃん。ええ、マスターお帰りですよ。でも…今はお仕事みたいです。ご本は私が読んであげましょうね」 Kの帰還を喜ぶリリー。そしてリリーの手を引いてアウルムはリリーの部屋へと向かう。 (そう… マスターの帰還はリリーちゃんも喜んでいる。他の皆さんも喜ぶはず…) アウルムの小さな胸に落ちた拭えない不安のようなもの… 「私は… 何か間違ったのでしょうか…」
スレッドに戻る
☆グラビアBOX☆
掲示板カテゴリ検索
写メ/待ち受け
動画/ムービー
音楽/エンタメ
雑談/その他
趣味/スポーツ
無料レンタル動画まとめ
e-Movie
無料レンタルBBS
ebbs.jp