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=34.魔鎧”デビルプレート”= 「ここは…まさか…」 エルゼの放った魔法陣によって”飛ばされた”フリッツが見たのは、懐かしい風景だった。 「ああ そうだ。死界… あの世… 幽世… まぁ生と死の狭間だな」 エルゼが興味なさそうに言う。 「おお 本物のエルゼと死界に来られるとはな!やはり人生最良の日と言える!」 「人生か… おまえは人間ではないだろう?」 驚喜するフリッツにエルゼはぶっきらぼうに言い放った。 「ほぉ わかるのか? 流石だ…」 「わかるもなにも…だな。あの”腐敗”に見覚えがあった。おまえは災厄の魔王討伐の時の… あの”魔爵”の執事だった男だ。そもそも”影”というのはおまえ達(魔族)の執事や使用人を示す隠語だろうがね?」 災厄の魔王戦。不意を打たれて苦戦をしたのは人間界での攻防だった。エルファスも語った”四大公”(マグナート)達の奮戦で戦局が変わるも、魔王の本拠地のある魔界では敵の領土内であり地の利のない討伐軍は再苦戦を強いられる。中でも”魔爵”クラスの抵抗は大きかった。 「私が魔界で使役した不死の軍団の最大の難局が”腐敗”を操る伯爵位の魔爵であったからな。同じ死を操るというが…。”不死”の”負の生命”を尊ぶ私と、尽くを”腐敗”させ”土に還すだけ”のおまえ達とは肌が合わないと感じたものだ」 やや遠い目をしながらエルゼが回想する。 「おお!おおお!そこまで覚えていてくれているとは!私はこの日を待ち焦がれていたのだ!どんなに腐らせても抗うおまえの”不死者”達!その姿は美しかった。私がおまえに辿り着く前に…」 狂喜の表情が一瞬憎悪へと変わった。 「あの忌々しい”魔導公”のせがれ共が… そして”召喚術士K”が… ”我が主”を倒しさえしなければな!」 フリッツの体が変貌していく…。美しい蝙蝠の翼、体にある無数の顔、6本の腕…。そして禍々しい”鎧”を纏っていた。 「なるほど、実験体とは… おまえの”肉片”を利用したというわけか」 「ご名答だ。そうでなければ、合成魔物(キマイラ)は簡単ではないよ。体が強くても”魂”が持たんからな。そして…」 フリッツの纏っている鎧が変貌していく。それは増殖するようにフリッツの体を覆っていき、瞬く間にフルプレート状へとなった。 「魔鎧”デビルプレート”という。ある方より賜ったものだ。まだ未完成品だが…見ろ!」 ”バッ”と抜き打ちに出した手のひらから魔素の塊が放たれると、その着弾点が凄まじい炎に包まれた。 「どうだ?まだ未完らしいが…おまえとの楽しい時間のためには丁度良いとさえ感じるよ。…さぁ…エルゼ。選んでくれ…”腐って死ぬか” ”焼き焦げて死ぬか” …どちらであっても美しい情景だろうなぁぁ〜。残念な事に2つは見られんのだ。どちらが…良いかなぁぁぁ??」 完全なる狂気。右手から”腐敗”を地面越しに放ち、左手から”火炎の渦”を宙へ放ちつつフリッツがエルゼに迫った!
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