コピー
㉞心を固めていても… =それは時間にして一時間程であった= 「う… うううううううっっ ああっっっ ぐっっっ」 召喚部屋にはKの苦痛に耐える声だけがあった。 ”つーーーーーーーーっっっっ”頬を伝わるのは止む事の無い涙。 「だから… 言ったじゃ無いか!」 ガーゴイル君の中から漏れるクレイの声もまた苦痛の色を帯びていた。 どんな恐ろしい魔物に対しても動じる事の無い”心を固める”術式、それを最大限に発揮しているのに…である。 《ダウンロードを終了します…》 ドスっという音がして、ガーゴイル君の口から解放されたKは膝を折って床に倒れ込む。 「グズッ… うう…」 涙がまだ止まらない。そのまま仰向けになって涙を腕で拭いながら天井を仰ぎ見る。 「…大丈夫かい?大人の君でさえ心が折れかかったんだ。今の君には…」 「だ 大丈夫… ありがと クレイくん… おかげでわかったよ 僕が…何をしようとしていたのか… でもまだ…捉えきれてない」 涙目でガーゴイル君を見上げるK。その言葉で慌てるのはクレイの方だった。 「ま まだやるのかい?」 「うん、ちょっとだけ休んでからね。持つべき者は友だね。クレイ君のおかげで一発目にして一番重要な事を知る事が出来た」 「それで良しには出来ないの?」 心配そうにプラスが話しかける。 「見落としがあってはマズいからね。恐らくは当たりだけど… それに…」 帰りを待っていてくれた者達がいた。彼女達に対する責任もある。先程は意識を取り戻した時に聞こえていた彼女達の会話や、マナから教えて貰った情報を元に無難な対応をしてしまったが…。 そして暫しの休憩後− 「さて!再開していこうか。さっきみたいなので無ければ大丈夫だからさ」 心配そうに見守っている二体のガーゴイル君− いやクレイとプラスに笑顔を向けてKは記録のダウンロード作業に戻った。 それから十日して− およそ数十分のダウンロード作業を行うと休憩も数十分取るといったサイクルを何十回と繰り返す。 館で顔を合わすメンバーの情報を優先し、それから呪いに連なる可能性の高い情報を収集。ダウンロードの過程で自らを暗殺しようとする存在を知った後は、優先順位をあげてこれらの周辺情報の収集も強化した。
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