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㊱Kの出立 「え!?マスター仕事に出かけるって… まだ子供のままなのに大丈夫なの?」 記録のダウンロードを終えてから二日目。Kは召喚部屋で旅支度を始めていた。 「ええ、今度は一ヶ月くらいですかねぇ〜 あ、これはいるやつだ」 心配そうに見守るリオにバックパックを整理しながら答えるK。 「一ヶ月… 随分と長いのですね…」 これまでもダンジョン攻略等で長く留守にすることはあったが、それでもKは拠点を作れれば帰還していたのだ。一ヶ月も館を開ける事は無かった。 「今回はダンジョンの複合と言いますか… 4〜5カ所を一気に攻略しないといけませんので… あ、これはいらないやつだ」 アウルムの問いに答えるも、バックパックの整理に余念が無い。 「フフフ 私は知っているー」 「何をです?ルリカ。あ、これは… いるのかな?」 得意げにAAAの胸を張るルリカに、謎の人形を見せて問いかけるK。 「あ それはいりません」 「えー ずるいよ、ルリカだけ知っているなんて」 「いやあ ほら、わたしって黒服統括じゃないですかー そりゃあ知ってますよー」 「どこなんです?ルリカさん」 いらないと言われた人形をルリカに手渡すK。むくれるリオに心配顔のアウルム、そして得意顔のルリカは何故か眼鏡を装着すると更に自慢げに話し始めた。 「ウツロイシティですねー?マスニー!」 「はい、正解… あ、これは?これはいらないよね?」 「いえ、それはいります!」 「ウツロイシティ?」 Kはルリカにいると言われた”ひのきのぼう”を大事そうにバックパックに入れる。 「ええ、今回のバタバタ事件の前にマスニーの勅命で白服のアッシュさんとネモフィラさんが調査に赴いているんですよ。更に!うちからも腕利きを一人派遣しました!」 「ああ、それはルリカがズルイ〜って言ってきたからで… …あ これは… これはいらないでしょう?流石に」 「いえ!舐めてるんですか?いるに決まっているでしょーーにぃーーーーー!!」 ルリカに切れ気味に「いる」と言われたバナナを「腐らないかなぁ」と不安げにバックパックに入れるK。 「珍しいね。マスターが事前に白服さんや黒服さんを派遣するなんて」 「ええ、ウツロイシティは事前情報が皆無でしたので。何しろ新しく出現したスポットですからねぇ」 「あのぅ… 失礼ですがマスター?」 「どうしましたか?アウルム」 「ご記憶は、その…戻られたのでしょうか」 心配そうにKの顔を覗き込むアウルム。その瞳にKの笑顔が映る。 「ありがとう。心配を掛けましたが、ある程度回復しています」 とびきりの笑顔。そしてアウルムの頭を優しく撫でた。 「でもマスター、子供のままだけど?」 「ハハハ リオは面白いですねぇ〜 あ これはいるよね?」 「いりませんよっ そんなの… 死ぬ気ですか?」 何故かふくれっ面のリオのツッコミに”いつものように乗っかる”K。そしてルリカに却下された護身用ダガーを名残惜しそうにバックパックから出す。 「さて!これで良しッと」 変幻自在の常闇の衣を旅モードで纏いなおすと、Kは召喚陣へと向かう。 「召喚術は送還術と♪」 「便利だよね。ウツロイシティまでビューンって感じです?」 「いえ、途中までかな。聖騎公領は行った事がないので、ポートがないんですよ」 「ふーん そうなんだ」 「あ そうだ。ルリカ? 僕が留守中は警備体制を強化して下さいね」 「ええ、いつも万全です! …何かありましたか?マスニー?」 「いえ、ネモフィラが一時帰投していた時に持ってきてくれていたんですが−」 それは密偵局のマル秘文書であった。 「ふむ… なるほど」 いつになく真面目モードなルリカ。 「なんなのさ?ルリカ」 「いえ!不確定要素が多いのでアレですが!まぁ先日の闇夜の月さん達みたいな輩がまた来るかもという話ですねー まぁ〜 我々にかかればケチョンケチョンですがねーー」 「ケチョンケチョンって… ルリカが断さんにされてたんじゃ… ひっ!?」 リオの言葉はルリカの目力で押さえつけられた。 「まぁ アルソッ君やセコムンちゃんもいるし、ガーゴイル君達もいますからね」 まぁ大丈夫でしょう〜 そう言ってリオとアウルムに笑顔を向けるKは、大きく手を振ると送還術で出立していった。
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