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=3.来訪者= 「ええっと、君は?」 メインホールの扉を開けて飛び込んできたのは、まだ幼い亜人の男の子だった。男の子は怯えた目で間近に控えている魔法生物を凝視していた。 「ああ、これはガー君…ガーゴイル君といって、この館のボディーガードみたいなものだから。怖くないよ。ああ、これを…」 銀髪の少女は、少年をボックス席に座らせて、魔界の薬草園で採れた果汁で作ったジュースを手渡した。ガーゴイル君と呼ばれた魔法生物は、悪魔の姿を基調とした意匠のため、何も知らなければ結構怖いのかもしれない。 「リオさん、これは…あれです。部下がお客と間違っただけで…」 「ルリカは静かにしていろ」 秒殺で宣言を覆させられたルリカをティアが制する。少年は手渡されたジュースを一口飲むと、目の色を変えて一気に飲み干した。 「ふふ 美味しかった?これはボクが育てた花果実で作ったんだよ?」 リオが微笑みかける。 「ありがとう…」 赤面しながら少年がやっと口を開いた。 「良かった。でも…君、ボロボロだね? 途中で魔物にでも出会ったのかな?」 リオの問いかけに、少年は再び俯いてしまった。この”暗がりの森”は魔物が多く出るため、この館に辿り着けるのは名だたる冒険者かあるいは…。 「”館に招かれた者”ってボク達は言うんだけどね。来るべくして来たっていうのかな」 普通の商人や村人などの戦闘と縁のない客が迷い込む事もある。その多くは自分達との”相性”が良い場合であったが。目の前の少年は客とは思えない。ではなぜ…とリオは考えた。 「君は…なぜここに来たの?」 俯く少年の肩を優しく撫で、そして優しく尋ねた。少年の肩が震えている。 「あの… あのぅ!」 少年は泣いていた。震える声でリオの目を見つめ返す。 「助けて下さい!!」 それは心からの… ”叫び”だった。
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