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=40.JACKIE&POTIー= 「この程度の炎で俺を殺れると思うなよっ 小鬼どもがぁぁぁ!!」 咆哮と同時にジェノの魔素オーラが増大していく!そして全方向位に向けて”衝撃波”が放たれた。それは技や術といったスキルではなく、ただ荒々しいだけの”放出”であったが、実験体として魔族の細胞も埋め込まれているジェノのそれは”火球”の炸裂に近いし破壊力を持っていた。 「ちっ 流石にアンラッキーちゃんだけじゃ無理だったか」 リリーを抱き上げて反転し、自らを衝撃波からの盾にするジャッキー。そのジャッキーをかばう盾となるポッチー。着地するとジャッキーはリリーを”アンラッキー”の上に下ろした。 「アンラッキーちゃん。リリーをこのまま館まで連れて行ってやれ」 「わん!」 決意を新たにジェノに向き直る2人。 「ジャッキー君!ポッチー君!」 そんな2人をリリーは抱きしめた。 「リリー、お菓子を作って待っています!必ず無事に…」 ”ちゅ♪””ちゅ♪”感謝と祝福のキス。そしてリリーはアンラッキーのコインのカーペットで滑るように館へと去って行った。(おお!これは凄いのです!)感嘆の声が遠ざかっていく…。 「ポッチー…」 「わぅん…」 腕を回すジャッキー! 尻尾をぶんぶんと振るポッチー! 「これでやらなきゃ…男じゃねぇだろっ!!」 「わん!」 =一瞬だった= ジェノがトドメのために衝撃波を放とうとした刹那。2人の姿が忽然と消えた。高速移動を得意とし、そのための動体視力を誇るジェノの目にも映らなかった2人。気がついたのは首の後ろの熱さと、直後に感じた胸の空虚さだった。 「影殺…」 「わん…(”ただの正拳”と呼んでいる至高の打突拳)」 ”影”の特性を持つジャッキーは短距離であれば影から影へと移動が出来るのだ。そしてジェノの背後に現れたジャッキーはその頸椎を黒い小刀で切断し、高速移動時に一瞬だけ景色に同化出来るポッチーは神速の打突を繰り出し、”紅爪”でジェノの胸を貫いたのだった。 「馬鹿な…衝撃波をよけたと?」 倒れながらジェノが呻く。 「ばーか。避けてねぇよ。喰らうつもりで行ったんだ」 消えゆくジェノの視界に傷だらけの小鬼と犬が映った。 「…なるほど… 見事だ…」 死を迎える瞬間、ジェノは自分を倒した2人が、自分の命を終わらせるにふさわしい戦士だったと気がついた。(いつからだ… 俺はいつから相手を見た目で判断するようになったのだ…)これはジェノが薄れゆく意識の中で最後に思考した事だった。彼もまたトロール族の戦士だったのだ。 「やったな!ポッチー…しかし…痛ててて。結構キタな…」 「わぅぅん! ”ペロペロ”」 ジャッキーの傷を舐めて治すポッチー。ポッチーの舐め舐めにはヒーリング効果があるのだ! 「くすぐってぇよ… はははは あ!?」 視線を感じて振り返ると、そこには館へ帰ったはずのリリーが”ジーッ”と見つめていた。 「ジャッキー君とポッチー君は…」 ”ぽんっ”と手を打つリリー。 「リリー、誰にも言わないのです!」 「いや… おまえ… なんか勘違いしてるだろう?」 「2人は仲良しなのですね?」 「…それはそうだけどよ…」 「大丈夫です!リリーは口が堅いのです!」 「やっぱり勘違いしてるな!おい!こら!」 顔を真っ赤にして怒るジャッキーと”困った顔”らしいポッチーを再び抱きしめるリリー。 「わかっているのです。2人は…いえアンラッキーちゃんも!リリーの素敵なお友達なのです!」 時同じく、ダネル達黒服団が不死者の小隊を撃滅していた。これにてフリッツが送り込んだ手勢は全て壊滅したのである。
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