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㊸館襲撃計画 「色々と万全。なのになんでルリカは浮かない顔をしてるの?」 「ネモフィラさんからの、密偵局絡みの情報ですよ」 Kが出立前にルリカに渡したマル秘情報の事である。 「これによるとマスニーの暗殺とは別に、この館狙いの計画があるとか」 「え?館って、SALONとは別にって事?」 「ええ、これまでの不法侵入者は8割以上がマスニー暗殺関係でした。そして残りが窃盗やストーカーの類いですね。館そのものを襲うというシチュは意外となかったんですよ」 「特別な場所だって事はわかるけど… なんでこんなところを?」 人間界にしては魔素が濃く、色々な異常事象が起こる事から”指定危険区域”として国家より認定されている”暗がりの森”。そこにある召喚用に建てられた館。周辺地域より行方不明者が多発した事に端を発した”伯爵事件”の現場でもある。しかし危険はあってもお宝の類いとは縁遠い場所である。何が目的なのか、リオには疑問だった。 「私にもわかりませんが、こうなると黒服団の特記戦力を容易に派遣できなくなるわけでして…」 通常の個人狙いの、いわゆるアサシンがやってくるくらいなら元々の警備システム、即ちガーゴイル君が黒服の役割を担っていた頃のままでも間に合う。しかし− 「館を制圧する規模ってなると… まさか軍隊が来るなんて事ないよね?」 「流石にそれは… と言いたいところですが、それも視野にいれないとですかねー」 何しろ館は大きい。これを制圧する規模の部隊が来るとしたら?その規模の部隊を迎撃するためには?過去にあった厄介事から考える対応策は? 「私の頭の中では様々な対応策がグルグルと巡っているのですよー」自慢げなルリカ。 「いや、寝てたよね?」久々にツッコミに戻ったリオ。 「まぁ、僕達もいるし〜大丈夫じゃない?」会話に入り込むジーコ。 「そうですねー、ラプルスさん達の増援は頼もしいですよ。とはいえ…」 Kが予告した一ヶ月という期間は厳戒態勢を維持するのにはとても長い期間であった。警備スタッフも食事や睡眠を取らないとならないのである。館全体を軍隊規模の襲撃から守るとしたら? その想定で組んだシフトだと、空き人員はほぼ出なかった。 「あ、ルリカちゃん。やっぱりここかぁ〜」声はルリカの背後、更に下の床からした。 ぬるぅ〜んっと黒いシミが床に広がると、そこからひょこっと頭が出てくる。ダネルであった。
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