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=45.Ashe= 「俺と弟は…戦災孤児でしてね。そんな俺らを拾ってくれた術士稼業のご夫婦がいらしたんですよ。俺らだけじゃない、身寄りの無い子達を集めてね。」 それは魔族戦争の後、大きな爪痕を残した大戦後には幾つかの紛争が多発していた。 「そんなご夫婦にお子さんが出来ましてね。嬉しかったな…。弟は特に喜んでいたっけ。自分にも弟が出来たってね。」 恥ずかしくて呼べなかったが、父や母と想う人達に幸福が訪れたのをアッシュは心より祝福していた。しかし… 「とんでもない邪悪が俺達の弟を襲ったんです。ご夫婦でも解呪出来ない程の”呪い”をかけやがった!」 アッシュの瞳に怒りの感情が籠もっていた。 「解呪するために、ある場所に行きましてね。そこでの儀式を成功させれば、あいつは助かるはずだったんです。そこを…”襲撃”されました」 ”守りたかった…” まるで狙い定めたように…。いやそのための"呪い”であった。それに気づいた時には全てが遅かった。その場所にいた全ての者が襲撃対象となっていた。非戦闘員すらである。 ”守りたかった…” 「俺も弟も…師匠も大事な友達も、全力で戦いましたよ。」 実際、アッシュは脇腹をえぐられても、片腕がもげても戦った。 “守りたかった…” 「俺が倒れた時、弟は敵う見込みの無い相手に一矢報いました。師匠は禁忌の技を使い、大事な友達は…」 アッシュが目を閉じる。 =46.フラッシュバック= 『いつか3人で… あ 坊やも入れて4人でピクニックとか出来ると良いな。わたしお弁当作るからさ♪』 メイド服が似合うようになったあいつがそう言った。俺は嬉しかったのに… 『おまえさ、その時いくつだよ?全くいつまでもお子様じゃあ、師匠には相手にされないぜ?』 『うう…(ぺしぺし)』 あいつが怒って追いかけてくる。それが日常だった。のに…。 「命をかけて… 師匠の禁技の時間を… 俺の命を繋いでくれて…」 ”守りたかった…のに… 俺は!!” ”守れなかったんだ!!!!” 弟と大事な友達の命を奪った敵は薄笑いを浮かべていた。 『うわああああああああああああああああああああああっっっっっっっ!!!』 魂の叫び。 命尽きるその時にアッシュは全身全霊の一撃を敵へとたたき込んだ!! しかし… 『無駄な事だったわね♪』 女は平気な顔で笑い、アッシュの胸に、無慈悲に闇色の短剣を突き刺したのだった。アッシュが薄れゆく意識の中で見たのは… 『あ… が…』 裁断されていた女だった。視界の隅に、”魔剣”となった師の背中をみた。 『禁技…成功したんだ…』 そして意識は途絶えた。
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