コピー
初めて見るソレは、とても幻想的で美しかった。 品の良いブラウスのフレンチカフスに、何かの宝石を思わせる紅い釦が三つ行儀良く並んでいる。 その右腕が掲げられ、華奢な指が鳴らされた時、約十の星が、輝く星が指先から飛び出したのだ。 ベッドの縁に座り直そうとしていた俺の丁度目の前で、ピンポン玉サイズの星々が、軽やかに自転しながら透き通るような青白い光を放っている。 バラバラに降り、まるで星座のように結び合う。 それぞれの点と点が伸びて繋がり、その中の空間を暗色の霞が漂ったかと思うと、触り心地の良さそうな滑らかな革張りの背凭れと座面が現れた。 輝きが緩やかに終息する頃出来上がっていたのは、深みのある青の木組みがツヤやかで繊細なディテールの、例えるならば夜空に似た瀟洒な椅子。 ほんの瞬間の出来事をどれ程長く感じただろう。 「……魔法を見たのは、初めてか?」 事も無げという表現がぴったりといった様子のマリさんの問い掛けで漸く思考が追い付いて来る。 言うまでもなく中途半端な体勢で固まっていた俺は、ワンテンポ遅れた後大きく頷き返していた。
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BEACH ANGELS
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