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=51.ムハブゥ= 「この子は…元は僕の"友達”だったんだ。ムハブゥと言うんだよ」 リジルが子供の時に、兄レーヴァが怪我をした神獣の子を連れてきた。猪の子のようであったが、小さな羽が生えていて、かなりの魔素を持っていた。リジルはその子を治療し、そして”ムハブゥ”と名付けた。ムハブゥもリジルによく懐いた。しかし… 「災厄の魔王の強襲があった時にね。この子は僕を庇って死にかけた。僕はそれを助けるために!」 霊獣との合成を試みた。風前の灯火であったムハブゥの命は、生命力に溢れる霊獣との合成で再び輝いたのだ。そしてレイエン家は当主を失い、兄レーヴァとリジルは残った戦力をまとめて抵抗していく。そして戦いの場が魔界へと移った時だった。 「霊獣との合成で、ムハブゥも戦えるようになってね。一緒に戦ったんだ。カムア殿も知っているでしょう? 兄とムハブゥの活躍を!その姿は言い伝えの『一族の始祖とそれを助ける神獣』のようだった。僕はね、ムハブゥは兄を助けるために”神”が使わせた神獣なのだと確信したんだ!」 そして伯爵位の魔爵”腐蝕”の王たるヘルダンとの最終決戦。リジルは尊敬する兄と共にヘルダンを倒すも、ムハブゥは重傷を負わされてしまった。そのムハブゥを助けるために、リジルは二度目の合成を行った。 「合成術は、法的には1度だけとなっていますね?」 それは成功率とコンプライアンスのためだった。肉体的な合成は、3体の合成までは安定する事が多い。それ以上は、素材たる魔物同士の相性と術者の力量によるが、5体を超すと崩壊する確率が極端に上がる。神ならざる者が命を弄ぶのかという事がコンプライアンスであるが、真の理由は”魂の安定”だった。肉体と違い、魂は3体目から不安定となるのだ。結果として合成術は1度だけというのが、魔術師協会のルールとなっているのである。 「分かっている…。でもね…”良い素材”があったんだよ」 リジルの目に狂気の光が灯ったのをKは気がついただろうか。 「なるほど… それは…」 =ヘルダンの死体…ですか=
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