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=56.つきもの 「つきものが落ちましたかねぇ?」 ムハブゥの鼻を優しく撫でているリジルを見てKがホッとした表情で呟いた。 「つきもの…です?」 Kの肩を抱いているリュネットと対局の位置でKの衣を遠慮がちに掴みながらリオが尋ねる。 「ええ、曾祖父は”通りもの”と言ってました。人が狂気に落ち、過ちを犯してしまうかどうかは、それに出会うかどうかなのだと」 Kの曾祖父は東の国で退魔師をしていた。子供の頃は、そういう名前の化け物が人間に乗り移るのだと想像していたKだったが、魔界での生活を経て人間界に来て、そして災厄戦を経験する過程で”それ”は誰にでも何時でも起こりうるものなのだと知った。 「せっかく援軍に来ましたが、これは出番無しですかねー?」 左右をリュネットとリオに取られたルリカは、その小柄さを利用してKに肩車を仕掛けていた。 「そうですね。”後始末”がありますが、それ程の面倒はないでしょうね」 「ラスボス倒して、その後に控える”真の姿”も倒すつもりでしたが、このまま大団円も良いかもです」 「ルリカ…そんな事を言ってると、本当にそうなっちゃうよ?」 お約束のツッコミ。そして大団円。誰もがそう思った時だった。 ”ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ” 地面が鳴った。 「これは…」 真下から”おぞましい魔力の塊”が迫ってくる!? ”ドガッッッッッッッッッッッッッッッ!!” ムハブゥを束縛していた魔方陣を突き破り、それは現れた。 「久しいな。忌々しいレイエンの子。そして漆黒の術士よ。」 それは霊体であったが、恐ろしいまでの魔力の衣を纏っていた。触れるもの全てを”腐蝕”させる特性を持ち、死してなお、敵意を保って存在する”邪悪” 「本当に…久しぶりですねぇ 出来る事なら会いたくはなかったですがね」 =魔爵 伯爵位… ヘルダン!!=
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