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=58.最終決戦!! 「ふむ… これが”災厄”様の境地か…。感慨深いものだ。そして"災厄"様を害した漆黒の術士への復讐を果たせ、更にわたしの肉体を蹂躙したレイエンの子達を滅ぼせるとは、実に感慨深い」 おぞましい程の瘴気を放ちつつ、ヘルダンは陶酔の表情で語った。 「これが魔王!?なんて圧倒的な…」 Kの背中にしがみついたリオの言葉は、震えて最後まで発声されなかった。 「こんなのとマスター達は戦ったんですか?桁違いもいいところ…」 魔爵のクラスアップは、階級が一つ上がるだけで乗倍となる。これが魔王クラスとなると、文字通り桁が違うのだ。圧倒的な瘴気の渦は、その場にいる全ての者を飲み込み、その心を内から蝕んでいく。 「さて… どうしましょうかねぇ」 「どうする?お前達は何もしなくて良い。いや、何も出来ないだろう?魔族のわたしに、魔王となったわたしに、人間如きが何を出来るというのだ!」 気圧されている周囲に目をやり呟いたKに、ヘルダンは怒気で応酬した。 「再びお前を捕らえる…」 ”ブゥン!” 声と同時にヘルダンの足下の"魔法陣”が光り輝く。それはムハブゥを捕らえていたものだ。 「レイエンの子か?魔王たるわたしを、この程度の魔法陣で捕らえられると思うか!」 ヘルダンの奇襲で壁に打ち付けられたリジルが立ち上がり、左手で印を結んでいる。同時に右手のロッドを掲げると、白銀の輝きが灯る。 「完全に封じてやろう。白銀の…リジル・レイエンの名にかけて!」 ”魔氷・月華陣・封殺!” それは"災厄戦"時、魔爵ヘルダンを封じたリジルの秘術である。リジルの特性”魔氷”を円刃とし、相手を斬り裂くと同時に霊体を封じる。それから研鑽を続けたリジルのそれは、初対峙の頃よりも明らかに威力が上がっていた。 ”がっっっ!!” それはヘルダンの体を斬り裂いて止まった。 「凄い… 大魔道士レベルの術を二つ同時に行使するなんて…」 Kの背中からリオが感嘆の声をあげる。これが四大公の一族の力なのかと。そして誰もが決着と思った時だった。 「くくく… はははははは! 大したものだ。人間にしては…だがな!」 ヘルダンは笑っていた。この上なく可笑しいといった風に。そして六本の腕で”月華陣”を掴むと魔力を腕に集約させていった。 「!? いけない! ガードして!」 Kが叫ぶのと同時だった。 「さて、貰ったものは倍にして返さんとなぁ!」 ”パリィィィィィィン!” あろう事かリジルの月華陣を破壊すると、その魔力片を自らの腐蝕の魔力で包み込み込んだのである。 ”腐蝕・凶華片!” それは月華陣の鋭さを持ち、相手を切り裂くと同時に腐蝕させる魔力片の凶刃だった。 「漆黒の術士とレイエンの子!まずはお前達から死んでいけ!」 右の三本の腕からはKに、左からはリジルに、その凶刃が放たれた!! 「兄さん!」 「マスター!!」 Kの背中から、ケリィとリオの叫び声があがった。
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