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=59.決闘とは ”魔弾・凱風連!” ”キィ…””ガガガガガガ!” 銃声は一つだったが、十二の光の軌跡が刹那に生じ、六弾ずつ二手に分かれると凶刃を打ち抜き、軌道を変えたそれはKとリジルを裂けて周囲の壁や床を切り刻んでいた。 「うわっ かすった!かすったー!!」 ただひとり、Kの傍らにいたルリカに向かった凶刃があったが、その神がかり的な危機回避本能で避けていた。まさに紙一重で。 「何だ?何故外れ… !?」 必殺であった凶華陣が外れた事に驚くヘルダンに迫る者がいた。 ”魔光剣・剣樹突!” その者は一瞬で間合いを詰め、そして突き出された光の剣は、成長する樹木が枝をはるが如く分裂し、ヘルダンの腕や足を貫いていた。 「貴様は…わたしを斬ったレイエンの…」 片膝をつき、傷ついた腕で倒れまいとするヘルダンの目に、かつて自分を"断罪”した敵が映っていた。 「何度でも斬ってやろう。このレーヴァ・レイエンがな」 「どうやら魔弾は通用するらしい。だったら問題なしだ。撃ち抜いてやるぜ?」 魔光剣を構えるは魔導公にして血族最強の剣であるレーヴァ・レイエン、そして魔弾を装填した銃剣を肩に担ぎ、カムアの前に進み出たのは”白服”アッシュだった。 「貴様達は、同士討ちを演じていたはず…」 そう、そこまではヘルダンが立てた計画通りであった。霊獣(ムハブゥ)の復活に執心したリジルの心の隙をついての多重合成計画、それを配下のフリッツを使って誘導した。完成した合成霊獣を乗っ取って復活するために。そして計画達成が見えてきた時、同時に復讐計画も実行する事にした。かつて手を取り合って自らを害した怨敵達をあわよくば同士討ちにしてやろうというというのだ。そしてそれはほんの少し前まで順調に進んでいたはずだ。なのに、なぜ? 「いやらしい奴だな。感知していたって事か。だったらお前の思い違いだぜ?」 ヘルダンを見据えたアッシュが銃口を向けて言い放つ。 「決闘は同士討ちにあらず、事次第によってはお互いを理解する術であるのだ」 魔光剣に”断罪”の光を収束させながらレーヴァが重ねる。 レーヴァとアッシュの決闘は、大切な者を守るための戦いだった。その想いを奥義という形で発現した時、ノイズとも言える息づかいを感知し得たのである。二人は咄嗟にその標的を変え、返す刀で実験室へと駆けたのであった。
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