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=63.連撃・破邪 「さて、友の体から出ていって貰いましょうか!」 アッシュの魔弾に続いたのは、黒き衣を纏った術士、いや前衛に特化した装いでロッドを”大鎌”に変化させたKの姿は死神であった。 「魂送術・離葬送!」 ”死神の大鎌”を一閃、そして印を結んだ左手をヘルダンの心臓部へと突き出す! ”ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥン” ヘルダンの体が震え、そして― 『ば…馬鹿な!?』 その声はヘルダンの体の直後からした。ルリカに斬られ、アッシュに撃ち抜かれた己が肉体を霊体の自分が見下ろしている― 「肉体への大ダメージ、そして霊体へと届く損傷を受ければ”不安定”になりますからねぇ、僕の死神の術式がおばあちゃん程では無いにしても、これなら貴方に届くというわけですよ」 Kが”ぬんっ”と力を入れると、ヘルダンの霊体は更に肉体から押し出されていった。 『ぐぅ… まずい… この状態であれを喰らったら!』 ヘルダンの視線がレーヴァへと向く。かつて自らの肉体と霊体を斬り裂いた魔光剣の使い手であり、その最大の剣技である”断罪”を警戒して。 「ああ、お前を裁つ準備は出来ている」 その視線の先、レーヴァの剣にはアッシュと対峙した時以上の断罪の光が集積していた。 『させるものかっ!』 ヘルダンがKの”離葬送”に抵抗しつつレーヴァの一撃への防御を施そうとした時だった。 ”カッッッ―――” まばゆい”聖”の光がその背後から放出されて来たのである。 「悪いけどトドメはボクらしいよ?相性が良いんだってさ… んん…」 初めての大技の展開に集中しているため言葉少なめに宣言したのはリオである。Kからの伝達で”エルダー・ゲイザリオン”に所持していた聖石全部を充填し、持ち合わせた魔石を周囲に展開させる。上級魔族ニックと同調(リンク)したリオの偽魂がその有り余る魔力量を全放出させて唱えるは、クリスタル・パレスに伝わる邪を祓う”聖なる波動”の術式だった。 (しかし…これ…魔素の放出量が半端ない…ボクじゃ制御しきれな…) リオの一族を狙う存在から彼女を守るために施された術式。ニックの魂が放出する魔力量を制御しきれないのが難点であるが、敵の目を欺くたに必要だった命がけの偽装。そのためそれを戦闘に利用する術については未訓練であった。 (ボクのせいでトドメをさせないなんて事…) 必死に制御しようと試みるリオ、その心が折れかけそうになった時だった。 「リオさん!」 声と共にゲイザリオンに添えられた手。途端に魔力制御がしやすくなった。 「ケリィ?」 リオの傍らでゲイザリオンに手を差し伸べたのはレイエン家の末子ケリィ・レイエンだった。
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