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=65.続・大団円 『ぐわあああああああっっっ!!』 断末魔の声、Kによって肉体より離脱させられたヘルダンの霊体は”聖属性”を持つリオの光弾によって貫かれ、実験室の壁へと打ち付けられた。そして― 「お前の企みもここまでのようだな?返して貰うぞ、我らが友を!」 リオの聖弾によって霊体に大ダメージを受け、体が消失し始めたヘルダンに断罪の光を温存したレーヴァが魔光剣を振るう! 「カムア殿!」 レーヴァが斬り裂いた”腹部”から弱々しく光る球体が零れ落ちると、それをKが”死神の鎌”より発生させた霊属性の光球でキャッチする。 『お…のれ…』 「ヘルダン、”ムハブゥ”の魂は返して貰いました。これにてお別れですが、素直に輪廻の輪に乗ることをお勧めします」 消失速度は早く、カムアの宣告後にヘルダンは今際の言葉もろくに発する事なく姿を消した。 「魔王の最後ですが、意外と呆気ないものなんですねー。ぜぇぜぇ…」 自身は無傷だが、あり得ない程のエナジーを放出する妖刀ムラムラの必殺技を一日に二度も使わされたルリカの目の下には真っ黒なクマが出来ており、息も絶え絶えであった。 「大丈夫?ルリカ?さっきの凄かったけど…」 「リオリオこそ、なんですか?さっきの!初めてみましたけど凄かったですよー」 「あれは…ケリィが助けてくれたからさ」 実は放出時、ヘルダンを貫いた後ではあったが、魔力の制御が緩んで転んでいたリオであったが、それは内緒なのだ。 「カムア殿…」 レーヴァとリジルの兄弟がKの元へと歩み寄る。その視線はKの手の平へと注がれていた。 「ええ、ムハブゥの魂です。少し浸食されていますが…」 ヘルダンに肉体を乗っ取られたムハブゥは、肉体こそ奪われたが魂はすぐには同化されなかったのである。 「魂の同化は肉体のように早くは出来ません。ヘルダンも”食べる”と表してましたので間に合うと思いました」 「なるほど、それで霊体を引きずり出して…」 「トドメも兄で無くそちらのお嬢さんにか…」 融合してすぐは魂と肉体が馴染まない。故に魔王化の力も肉体を失えばその多くを消失するのである。そしてムハブゥの魂の救出のためには、断罪の力で肉体を瞬時に滅ぼしかねないレーヴァよりも、急所の核のみを貫くリオの方が向いていたのだ。 「おばあ…曾祖母に依頼してムハブゥの魂の汚れは取り除きます。あとは…寿命を調べてとなるのが自然ではあります」 要するに輪廻転生が自然であると、特にムハブゥの生に執着したリジルへ告げているのだ。 「わかったよ。カムア殿。友を自然に… 頼む」 理解していても耐えがたかったのであろう。リジルの声は震えていた。 「兄さん…」 「すまなかったな。ケリィ。エルファスと… そして民にも多大な迷惑を掛けた」 俯くリジルの肩を抱きしめるケリィ、そしてその二人を抱きしめるレーヴァ。 「まったくはた迷惑な兄弟ですよー。おかげで私の貴重な休みが…」 迷惑と言いながら少し嬉しそうなニュアンスでヤレヤレのジェスチャーをするルリカ。 「まぁ良かったよ。魔爵、そして魔王なんてさ。夢魔であっても見たくない悪夢だからね」 「終わりに見せかけた始まりって…誰かが言ってましたからねー。何かが始まったりして」 「誰が言ったの?そんな事。変なフラグが立ったらどうするのさ」 ムハブゥの魂を外気から守るオーブで包みリュネットへ預けるK。大団円!誰もがそう思った時だった。
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