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=68.虚無 「ここは…何処?」 一瞬で風景が変わった。リオは草原にいた。目の前には大きな川が流れている。 「変な植物… ここは人間界ではないようだね」 魔術師として植物学にも精通しているリオが知らない植物が群生していた。 「あはは リオリオ〜 川がありますよー、一緒に渡りましょうー」 見るとルリカが千鳥足で川に向かっていく。 「だめだよっ ルリカ! 危ない! あれ…」 慌ててルリカを抱き止めるも、リオもまた目眩を覚えた。それもかなり強烈な。 「おかしい… なんか酔っ払ったみたいに…」 それは高濃度のお酒以上の酔いであった。しかし何故? それに、ここは…何処? ”ズゥゥゥゥン!” 「やはり黒き術士の魔物達か。ここは何処だ?」 上空より川へ落下し、水柱を立てながら現れしは”腐蝕”の魔王ヘルダン。 「誰が魔物だーだーだー!!あはは」 魔物扱いされての抗議の最中にも呂律が怪しくなり、クルクル回転して尻餅をつくと何故か笑いのツボに 入るルリカ。 「ボクの方が聞きたいよ。さっきまでグチャグチャな空間にいたと思ったら、何でこんな…見た事も無い魔界に!」 尻餅をついて笑っているルリカを庇うようにゲイザリオンを構えるリオだったが、彼女もまた呂律が回らなかった。 (見た事もない魔界?それにこの酔い…まさか!?) リオの脳裏によぎった一つの可能性。それに答えたのはヘルダンであった。 「魔素酔いだな。しかし…こんな高濃度の、いや高密度の魔素は初めてだ。お前は魔界と言ったが”我々の魔界”にこんな場所は無い。そうなると考えられるのは…」 別の大魔王界という事になる。だが異なる大魔王界との行き来は自由では無い。それぞれが魔界の神と畏怖される大魔王が創造(クリエイト)せし”国土”であり、特別な許可が無い限り入る事はおろか感知するこつすら出来ない別空間にあるのだ。 「ええ、ここはクルデリス様の大魔王界ではありません。最も深き魔界と言われる”虚無の大魔王界”です」 ヘルダンの推理が確信へと変わった時、それに対する解答を伝える声が頭上よりした。
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