コピー
『天狗[てんぐ]』 現代人のなかでは、天狗 のイメージはすっかり 定着している。 頭の上に兜巾(ときん) をかぶり、八手の葉の ウチワをもった キュウリような高い鼻を した妖怪…。 このイメージが定着 したのは、室町後期の 狩野元信 (かのうもとのぶ)が 描いた「鞍馬大僧正坊図」 からだとされている。 現代人が認識する 天狗像は、天狗の 最新モデルということに なりまする(笑)。 しかしながら 平安時代においては 天狗は奇怪な ミステリアスな精霊と みなされていた。 平安時代には 陰陽師も天狗調伏の祈祷 を行ったとされてます。 「天狗」の 言葉が日本史に最初に 登場したのは 七世紀の舒明(じょめい) 天皇の時代である、 「日本書紀」の舒明天皇 の章には、 このように記されている。 「舒明九年二月二三日 大きな星が東から西に 流れ、雷鳴のように 空にとどろいた。 人々は、流星の音だと いった。 すると、隋への留学から 帰ってきた僧が 流星の音ではない これは天狗の吠える音で あるといった。…」 この一節から 想像される天狗は 最新モデルとは程遠い 天空を駆けめぐる 巨大な霊体である 以後、天狗は 肉体のない得体のしれない 霊体という形などで さまざまな説話・伝説に 登場するようになる。 平安時代に成立した…… 「宇津保物語」 「源氏物語」 では、天狗を怪異な 山の精霊になぞらえて いる。 宇津保物語は、山の音を 「天狗が弾く琴の音」に 源氏物語は、木の精霊で ある木霊(こだま)を 天狗に見たてている。 柳田國男は、山中で聞こえる奇怪な笑い声・木が伐り倒される音が… 「天狗笑い」「天狗倒し」 の名で呼ばれることを伝えているが、それらもまだ、天狗を山の精霊になぞらえる流れです。 因みに魑魅魍魎の漢字は 天狗と共通性の意味が あります。 魑[ち]山水・木石の化け物の意味。 魅[み]人の心を惹き付け る化け物の意味。 魍[もう]山・川の瘴気から生じる化け物の意味。 魎[りょう]山・林の精、 化け物,モノノケの意味 魑魅…(すだま)いわゆる 木霊ですが化け物を意味します。 それでは、なぜ、 姿なき霊体であった 天狗が、現代人が 知るようなイメージに 変換されてしまったの だろうか? ズバリ結論をいうと それは、霊体としての 天狗の神秘性が 上古から山岳修行に いそしんできた山伏と 結びついた結果に ほかならない。 高鼻の怪人として 描かれた天狗は 山伏と同様、に 人間業(にんげんわざ) を超えた験力(げんりき) をきわめようとする 山中の修行者である。 まず、その前提が 両者を強く結びつける。 また、カスミを食い 木から木へ飛び移る 天狗の霊力は 五穀(米・麦・豆・あわ・ひえ)を断ち、山道を 飛ぶように駆ける 山伏にオーバーラップする さらに、兜巾に柿色の スズカケ(麻の衣) という天狗の風体は 山伏にピタリと一致する。 薄暗い森のなかで 山伏が笑い、木を伐る音 を聞いたらなら 怪しい精霊のシワザだと 思っても不思議ではない。 深山はそもそも、人を まどわせる幽玄な気配に 満ちているのだから、 柳田國男は… 「九州の南部は日向でも 大隅(オオスミ)でも、 ヤンボシといえば化け物 のことである。 夜分山路を歩くと、 ときどか出逢うもので 坊主が首をくくった 処には必ずや出るという、 ぼうっとした大きな人影のような妖怪だそうで、 ただの山伏もヤンボシまたはヤンブシといって通ずる」 と著作の本のなかで書いてます。 平安時代においては ミステリアスな山霊と みなされていた。 天狗も妖怪つまり 魑魅魍魎の類いであった。
スレッドに戻る
MJFriend
掲示板カテゴリ検索
写メ/待ち受け
動画/ムービー
音楽/エンタメ
雑談/その他
趣味/スポーツ
無料レンタル動画まとめ
e-Movie
無料レンタルBBS
ebbs.jp