行雲紀行

皆さんは【シンクロニシティ】という言葉をご存じだろうか。
偶然に起きたかと思われる複数の事象が何らかの関係性を持っている。
そのような出来事が、ある日起こった。

case1
砂原に一羽の彩鳥がいた。
彼女はあるモンスターの手により身を汚され、瀕死になっていた。
『早く清めないと…』

ﾎﾞﾙﾎﾞﾛ…いや、ﾎﾞﾛﾎﾞﾛになりつつも泥だらけの羽で何とか孤島にたどり着き水場に向かったが、そこは大海。いつの間にか倒れた彩鳥は海へと流された。

そこに通りかかる一頭のｴﾋﾟｵｽ。瀕死の彩鳥を背に乗せ陸へ向かおうとした時に、海の底から海竜ﾗｷﾞｱｸﾙｽが捕食を狙い迫ってきた。

そして身に溜まっていた電気を放電…

ｴﾋﾟｵｽは息絶えたが、彩鳥は瀕死の体に電気ショックを与えられ、息を吹き返す。

気づいたら彼女の羽根の火打石からは微かに放電されていた。

case2
新たな愛人(ﾗﾏﾝ)を探しに未開の地に向かう彩鳥。
降り立った場所で様々なモンスターに出会った。
(うわキモ。青いし。ハチミツ舐めてるし。×。)
(皮膚ﾀﾞﾙﾀﾞﾙじゃねぇか。×。)

そんな中、水場で羽を持った｢彼女｣を見つけた。
(そう言えばあの娘みたいなのが猫達を引き連れてたのを見たな…)

水場でささやかに水を浴びる彼女は、近くで見ると更に可愛い。

(卵生んでほすぃぃぃ！)
と近寄ろうとした時に、頭上から巨躯のモンスターが！彼女はびっくりして卵を生み一目散に逃げたが、彩鳥は目の前を塞がれた。

堅牢そうな角に青光りした体。橙の毛。堅そうな尾。

『あ、あうあう…』

為す術もなくその怪物の尾や角に蹂躙され、朦朧とした意識の中で最後に浴びた一撃は雷撃だった。

それによりただでさえ鮮やかな羽根は更に紅潮し、真っ赤に…
染まった。

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｢孤島｣、｢渓流｣と異なる地で同時に起きたこの事象により通常種と異なる彩鳥が各所で見受けられるようになった。