【怪奇譚F】『ヴァルプルギスの夜・前編』





黒服団が出会う奇妙な事件や、伝承にまつわる事件。

ルリカの元に飛び込んだ1つの依頼。

消えた死体の捜索。

依頼人が語る死体の謎。

派遣された騎士団。

3人の魔法使い。

黒服団、死体、魔法使い、騎士団、そして・・・・

ルリカ

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[1]第1話『消えた死体』
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【マウザー】
「ルリカちゃん、ちょっといい?」
【ルリカ】
「はい?どうしましたかー?」
マウザーに呼び止められ振り返ると、マウザーは封筒を1つ差し出して。
【マウザー】
「これ、ルリカちゃん宛」
【ルリカ】
「手紙なんて珍し・・・うん?」
封筒の字体はどことなくナカサノバさんの物に似ている。
封筒を破り、手紙を開けてみる・・・・・破ったごみは丁寧にマウザーが回収して。

”ルリカきゅぅぅぅ・・・”
ルリカは手紙の上を全力で破り捨てる。
余計なものは即削除・・・・・それがルリカの仕事のりゅう(ry
【マウザー】
「ルリカちゃん!?」
【ルリカ】
「・・・失礼・・・取り乱しました・・・」
ルリカとマウザーは手紙の内容を読み進める。

”先日、メスの入らない遺体が運び込まれた”
”しかし、遺体は医者と助手の死体を残してどこかに消えてしまった”
”調査のために騎士団が派遣されたらしい”
”依頼人はその死体を処分して欲しいとお願いしている”
”依頼人は死体に対して何かの情報を持っているらしい”

手紙を読み終えるとマウザーとルリカは顔を見合わせて。
【マウザー】
「メスの入らない死体が行方不明に?」
【ルリカ】
「・・・ええ、書いてある通りに解釈すると、そうみたいですね」

2人はしばらくその場で考える。
メスが入らない、でも死体、動くはずはない、でもどこかへ・・・・しかも周りの人間は死んだ・・・・

【ルリカ】
「とりあえず、手紙に書いてある依頼人に接触してみます。マウザーさんは騎士の人に接触は?」
【マウザー】
「うん、大丈夫だよ。知りたいのはどれぐらいの規模で、どれぐらいの力のある騎士が派遣されたか・・・・だよね?」
【ルリカ】
「はい、不可思議な事件なので・・・・騎士団もそこそこの人を派遣しているでしょう」

2人は足並みを揃えて街へと歩き出す。
不可解な事件の手がかりを求めて。



〜〜〜続く〜〜〜

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[2]第2話『ギルス』
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街の高級酒場の個室にて

マウザーは騎士の1人と酒を飲みながら、消えた死体の捜索について聞いてみる。
【ルーク】
「派遣されたのは騎士団長を隊長にした5人編成の部隊・・・・ギルスという男が団長を務めている」
【マウザー】
「ギルス・・・・・」
マウザーは事前に騎士団についての情報を集めてはいたが、長を務める人物にその名前はなかった。

マウザーが疑問を口にするより先に、騎士の男はマウザーの疑問を察してか先に口を開く。
【ルーク】
「ギルスは派遣される直前までは長じゃなかった・・・・優秀な騎士であることに間違いはないけどな」
【マウザー】
「直前に・・・・・それは、依頼を要請を受ける代わりに階級が上がるということ?・・・・変わった話・・・」
マウザーは両手で樽を掴むと、テーブルに肘をついて麦酒を飲み始める。
【ルーク】
「指揮をとらせる名目上・・・・だろうな。その代わりにギルスの指名した腹心が副長になっている」
【マウザー】
「残りの3人は?」
【ルーク】
「何やら、相談役や指導者のご指名だそうだ・・・・チームとしては即席だな」
【マウザー】
「まぁ、事件が事件だからってところ?」


ルークは酒を飲み干すと。
【ルーク】
「あくまで捜索、回収だからな。それにギルスは名門でもなければ貴族でもない、叩き上げの騎士だ」
騎士の男はすっとマウザーを指さして。
【ルーク】
「マウザー…君が竜に戻らない限りは、ギルスの方が遥かに強いさ」
【マウザー】
「叩き上げ・・・・・」

マウザーは2人分の酒を追加で注文すると考え始める。
【マウザー】
(何故、そこまでの人間を派遣しながら、こっちにも依頼が?)
マウザーは疑問を残しながらも今は騎士の男から更に情報を聞き出していく。



〜〜〜続く〜〜〜

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[3]第3話『考えすぎ?』
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とある男の自宅にて


老年の男性と膝を突き合わせるようにルリカは座り込み、男の許可を得て、会話を一字一句漏らさずにメモしていく。
【ルリカ】
「では聞きます、貴方が騎士の指南役で騎士団の派遣を知っているにも関わらず、なぜ重ねるように依頼を?」
男性は軽く咳払いし、水を一口飲むと口を開き始める。
【老年の男性】
「まずは一つ、騎士団と魔法局を介して行っていた通信が、屋敷に付いたのを最後に途絶えておる」
男性はすっと紙切れを差し出すと、話を続ける。
【老年の男性】
「これは死体の解剖に当たったメンバーのリストだ・・・・上から2番目が・・・私の息子だよ」

男性はルリカがリストをメモするのを見ると、メモが終わったところで話を続ける。
【老年の男性】
「私はギルス及び副長は連絡不可能な状態になったと仮定し、個別に依頼を出させてもらった・・・・という訳だよ」
【ルリカ】
「なるほど・・・それで、死体について知っている情報は?」
【老年の男性】
「息子は最後にハーピィに襲われている、そうメモに書き残している・・・・息子は過去にもハーピィに襲われたことがあったが」
【ルリカ】
「ちょっとまってください!!・・・ハーピィが死体を持ち去った、ということですか?」
【老年の男性】
「何者かの使役とも考えられる、あくまで過程の話だが・・・・・その魔力の残り香を追跡した結果が、今回騎士団を派遣した館だ」


ルリカは男性との話を終えると、男性の家を後にする。
詰所に戻るまでに、ルリカの頭には様々な疑問が生まれていた。

”なぜ彼の話にはギルスと副長しか出てこなかったのか”
”肝心の息子のメモを彼は直接手渡してこなかったのか”
”突如出てきた、ハーピィの使役”

そして何よりルリカは大きく気になった・・・・
【ルリカ】
(彼は騎士の指南役・・・・しかし、そうだとしても・・・・あれが数日前に息子を亡くした人間の様子ですかね・・・・?)
ドライゼ君が腕をもがれ生死の境をさまよった時、断さんがワンと戦い殺されかけたとき・・・・団員の様子はどうだっただろうか・・・・
【ルリカ】
(しかし、彼の話からでは真相には・・・・・マウザーさんも何か得ているはずです・・・行ってみるしかないですね・・・)
ルリカは疑問を抱きながらも、マウザーの帰宅を待ちながら、出かける準備を始める。



〜〜〜続く〜〜〜

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[4]第4話『魔女』


暗い部屋の中、裸の女性の死体が部屋の中央の台に寝かされている。
ローブを纏った女性が2人。
1人は椅子に座り手を合わせ、もう1人は死体の前に跪いて手を合わせる。

やがて跪く女性が喋り始める。
【??】
「申し訳ありません、あのような事態を引き起こしてしまいまして・・・」
彼女は死体に謝る様に、頭を下げながら喋り続ける。
【??】
「来る日までは、必ずや誰も侵入させないようにいたしますので・・・どうかその日までごゆっくりと」

しばらくすると、血の付いたローブに日本刀を握った女性が姿を現す。
椅子に座る女性は、日本刀を持つ女性に話始める。
【??】
「どうだったの?アゲハ・・・・外の様子は?」
アゲハと呼ばれた女性はゆっくりと口を開く
【アゲハ】
「流石は騎士団長・・・・とでも言うべきかな?1人はやったけど逃がしちゃった・・・・でも、ここまではこれる訳がない」
アゲハは死体に跪く女性を見ると。
【アゲハ】
「ルナ、貴方も瑠々の様に真摯になったら?天罰が下るわよ?」
【ルナ】
「あたしのやることは、ヴァルプルギスの夜まで待つこと・・・・それ以上に何かある?」
【アゲハ】
「・・・・・待つだけでは進まないわよ?」

3人は同時に死体に視線をよせる。



〜〜〜続く〜〜〜

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[5]第5話『罠』
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【マウザー】
「うわぁ、大きい」
マウザー、ルリカ、そして話を聞いてついてきてしまったダネルは大きな館を見上げて。
【ダネル】
「サロン〜ぐらい〜ある〜〜?で〜どうする〜?」
【ルリカ】
「とりあえずは、派遣されている騎士団を探しましょう」

3人は門をくぐると館の正面扉を開けて中へと侵入する。
【ルリカ】
「中はだいぶとボロボロですが・・・・それのおかげで助かりますね」
【ダネル】
「どういう〜こと〜?」
ルリカが床を指さすと、そこは少し沈み込んで割れ目ができていて。
【ルリカ】
「騎士の装備は基本的に重いはずです。ところどころに出来ている新しい割れ目を辿って行けば合流できるはずです」

ルリカ達は割れ目をたどり、ドアノブを掴み扉を開けると。
【ダネル】
「ぅぅっ!!」
扉を開けた先から矢が飛び、ルリカは何とか躱すが、ダネルの首元に矢が刺さり、ダネルはその場に倒れこむ。
【マウザー】
「だーちゃん!!」
しばらくしてダネルはむくりと起き上がると。
【ダネル】
「大丈夫〜〜1回〜死んだだけ〜」

【ルリカ】
「トラップ・・・・ドア・・・?」
仕掛けを観察すると、ドアが開いたときに作動するように仕掛けられているようで。
【マウザー】
「でも・・・足跡は続いてるよね・・・?」
マウザーとルリカが考える横で、ダネルは大きな盾を影の中から取り出して。
【ダネル】
「とりあえず〜〜これで〜〜すすむ〜?」

ダネルの盾を正面に次のドアへと向かう。
次のドアは開けても何もなく・・・・しかし、次のドアには爆破の罠・・・・それでも続く足跡をたどって行く。
罠とスカを繰り返しながら続くドアを、足跡や割れ目だけを頼りにどんどんと進んでいくと。
【ルリカ・マウザー】
「あっ!!」
開けたドアの先は大きな部屋・・・・そこで陣を張る4人の騎士を見つける。



〜〜〜続く〜〜〜

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[6]第6話『騎士団』
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ルリカ達と騎士団達の目が合うと、騎士団の男が1人立ち上がり、警戒するように剣を手に取るとルリカへと近づいてくる。
【ギルス】
「何者か?」
男は短くそういい放つ。
【ルリカ】
「私達は消えた死体の捜索依頼を受けてこの館に来たものです」

ギルスとルリカの問答はしばらく続いた。
”どういう手順でここまでやってきたか”
”誰から情報を得て、その情報はどんなものか”
しばらく問答を繰り返すと、ギルスは剣を収め。
【ギルス】
「どうやら君たちは”敵”ではないようだ。剣を向けて近づいた無礼を謝っておこう」
【ルリカ】
「いえ、警戒するのは当然です。マウザーさん、ダネルさん、そちらの方々の治療を・・・・私はこちらで話を続けます」
座り込むギルスに合わせるように、ルリカはしゃがみ込むと。
【ルリカ】
「この館はどうなっているのですか?どこもかしこも罠だらけで・・・・・後、敵というのは?」
【ギルス】
「・・・・この館は扉に数々の罠が仕掛けてある。それに一定時間を過ぎると罠が扉と共に再構築されるようだ」
ギルスはルリカに、肩の包帯を巻きなおしてもらうようにお願いすると話を続ける。
【ギルス】
「敵というのは死体を守っているものの事だ、現在、接敵したのは1人、目的は不明」
【ルリカ】
「5人派遣されていると聞きましたが?」

部屋を見渡しても目に映るのはギルスを含めて4人だけで。
【ギルス】
「1人は窓を壊して外へと出た瞬間に襲撃に合い殉職した。部隊の副長だ」
ルリカは包帯を巻きなおしながら、ちらっと他の3人にも目を移す。
その時の傷だろう、他の3人も負傷していて。
【ギルス】
「進んでも罠、脱出を図っても襲撃・・・・そこで一旦は広い部屋で待機しているわけだ」
その時、ギルスは床についている手を滑らしてルリカへと倒れこんでくる。
【ルリカ】
「大丈夫・・・ですか?」
【ギルス】
「君にだけ・・・話しておこう・・・・」
【ルリカ】
「・・・・!!」
ルリカは倒れこんで耳元でボソボソ素早く話すギルスの言葉を、表情を極力変えないようにしながら受け止める。



〜〜〜ヴァルプルギスの夜・中編に続く〜〜〜

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