【怪奇譚F】『ヴァルプルギスの夜・中編』





黒服団が出会う奇妙な事件や、伝承にまつわる事件。

謎の死体を追って罠だらけの館に迷い込んだルリカ達と騎士団。

合流を果たした2組、ギルスからルリカに告げられた真実

更に館に現れる、敵でも味方でもない、大きな力・・・・


このお話はジェーン・ドウの解剖やウィンチェスターハウスに影響を受けつつ、黒服団テイストに仕上げたものになります。

ルリカ

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[1]第1話『帰還』
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【アゲハ】
「騎士団と新しい侵入者が合流しちゃったわよ?」
部屋の中で3人の魔法使いが少し苛立ちながら話し合う。
【ルナ】
「でもさ?それって、仮にここまで来ても魔女様がいる限りは勝てないでしょ?」
【瑠々】
「そうです!魔女様のお力があれば何とでも・・・・」
【アゲハ】
「でも、魔女様ばかりに頼るわけにはいかないわよ?私たちで数を減らさないと・・・・」

3人が円を作って話し合う、その中央に光の柱が急に発生する。
【ルナ】
「ちょっと!!なにこれ!!」
3人は後ずさりをすると、光が収まり中から1人の女性が、細剣を1本肩に担いで現れる。
【ワン】
「あら?随分と辛気臭い部屋・・・・」
ワンは辺りを見渡す・・・・3人のローブを纏った女性に、裸の死体が1つ

ワンはアゲハを指さすと。
【ワン】
「貴方が一番頭がよさそうね・・・・産業、歴史、生態系・・・後、日時を教えてもらえるかしら?」
ワンは細剣に魔力を通し、熱を帯びさせると。
【ワン】
「言葉は通じてるわよね?答えないなら、拷問しちゃいましょうか?」
ふふふと笑うワンに、ルナが痺れを切らして、手に水の球体を作りながらワンに寄っていく。
【ルナ】
「どうやって入ったか知らないけど・・・・・火のエレメントがこれに勝てないぐらいは・・・・わかるわよね!!」

ルナは2つの水球を回転させながらワンに叩き込む・・・・・しかし・・・
【ルナ】
「なぁっ・・!!」
水球はあっという間に蒸発していく。
ワンは細剣を納刀すると、唖然とするルナに近寄り。
【ワン】
「うふふ、どれが?どれに?・・・・勝てないのかしら?」
ワンはルナの両肩に手を置くと、素早く首の動脈を噛み千切り、地面に吐き捨てると、再び傷口に口をあて、ごくごくと血を飲み始める。

【ルナ】
「あぁ・・・あんた・・・たちぃ・・・・たすけ・・・なさ・・・・・・ぃ・・・・」
呆気にとられる2人を他所にワンはどんどんと血を吸い上げる。
ルナはどんどんと血圧が下がり、顔が白く・・・・・・次第に声も出せずに。


【ワン】
「・・・・・うふふ、ごちそうさま」
ワンが口と手を離すと、ルナは糸の切れた操り人形の様にその場に崩れ落ち、二度と動くことはない。
【ワン】
「さて、あなたたち・・・・吸血する前に質問に答えてもらえるかしら?」
ワンは狂気を宿しながら、2人へと近寄っていく・・・・



〜〜〜続く〜〜〜

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[2]第2話『気付く』
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【ワン】
「貴方たち、本当に口を開かないわね・・・・まぁいいわ」
怯えと警戒心で後ろに下がり動かない、アゲハと瑠々から、謎に死体に向けてワンは歩を進める。

【ワン】
「少し読み取らせてもらおうかしら・・・」
ワンは死体に手を当て魔力を循環させると・・・・
【ワン】
(あら?この死体・・・・・なるほどね・・・・そういうこと・・・・)

死体の情報を読み取るさなか、急にワンは飛びさがると、さっきまでワンのいた場所に一閃の斬撃が・・・
【ワン】
「これは・・・・どういうことかしらね・・?」
避けきれずに右目を切断されて、血の滴る目を押さえるワンの目の前にいるのは断・・・・しかし・・・・
【ワン】
「イメチェンでもしたのかしら?鋭さも無くなってるわよ?」
ワンの目に映るのは全身、果ては肌や刀まで黒一色の断の形をした何か。

【ワン】
「なるほどね・・・・私にとっての”恐怖や畏怖”はこの女なのね」
【アゲハ】
「っ!!もうそこまで・・・」
アゲハは小さく舌打ちしてつぶやくと、偽の断と斬り合うワンの隙をついて、死体の元へと駆け込む。
【アゲハ】
「瑠々!!扉を開けて!!できるだけ遠くに行くから!!」
【瑠々】
「はいっ!!」
アゲハは死体を抱えると、瑠々が開く扉へ一目散に駆け込もうとする。

【ワン】
「うふふ、必死ね・・・・まぁいいわ、どうせ”まだ始まらない”のでしょう?」
ワンの言葉に背筋に寒さを覚えながらも、アゲハと瑠々は死体を抱えながら、どんどんと扉を開けて、館の違う部屋へと駆け込んでいく。

【ワン】
「・・・・さてと・・・偽物と言ってもしつこいわね」
ワンは大きな紅い魔方陣を起動させると、部屋中が光に包まれる。



〜〜〜続く〜〜〜

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[3]第3話『合流』
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【ギルス】
「足音が聞こえるな」
待機中の部屋で、ルリカ達とギルスたちがどう動こうか意見を出し合う最中、ギルスがぼそりと呟く。
ゆっくりと扉が開くと・・・・
【ワン】
「広い部屋・・・人もいるわね・・・・あらっ?」
【マウザー】
「っ!!貴方は!?」
【ワン】
「あら?うふふ、お久しぶりね」
マウザーは素早く四つん這いになり黒曜石の竜へと変化を開始し、それに呼応するかのようにワンは剣を抜く。

次の瞬間ギルスは剣を抜きワンの首元へ、ルリカはナイフを構えマウザーの首元へ突き付けると。
【ルリカ】
「全員武器を収めてください!!」
ルリカの怒号にマウザーは人間の姿に戻り、ワンは大人しく剣を収めると、その様子を見てルリカはナイフを収め、ギルスも剣を収める。

【ルリカ】
「さて、あなたが断さんと戦った吸血鬼ですよね、何故ここにいるのか・・・・聞かせてもらいましょうか」
【ワン】
「うふふ、その前に・・・私が教えて欲しいことを教えてくれたらね」
【ルリカ】
「教えて欲しい事・・・ですかー?」
【ワン】
「ええ、先ずは日時、次にこの館について色々と知っていること・・・・」

ルリカはまずは1番に出てきた日時を伝えると。
【ワン】
「そう、長らく旅をしていたつもりだけれども・・・・ここではそれ位しか・・・・いいわ、続けて頂戴」
ワンの様子を気にしながらも、死体の事、自分たちの現状、館の情報を続けざまに話していく。

ワンはしばらく黙り込んでルリカから聞いた情報を頭の中で整理すると。
【ワン】
「大体はわかったは、それにしても・・・・ちょっとしか知らないのね?」
【ルリカ】
「では、貴方はもっと死体や敵についての真相を知っていると?」
【ワン】
「ええ、直接見て触れてきたから・・・・少なくともあなた達よりはね」

ワンは全員の様子を見ると、敵意を向けるマウザーにからかうように笑みを向けると。
【ワン】
「貴方たちの言っている死体・・・・・あれは死体じゃないわよ」
ワンの言葉に驚く一堂に、うふふとワンは楽しそうに笑って。



〜〜〜続く〜〜〜

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[4]第4話『魔女の魔法』
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【ルリカ】
「死体が・・・・生きてる?」
驚く一同の中、ゆっくりとルリカが口を開くと。
【ワン】
「ええ、死んでいるのでなくて自身の動きも止めて魔力をチャージしている最中・・・・強力な魔法の起動の為のね」

ワンはルリカを呼び、ルリカから煙草を奪い取ると火をつけて一吸いする。
【ワン】
「それ以外にも、接触した生物の恐怖や畏怖の対象を呼び出して攻撃するみたいね・・・・あの女の偽物に襲われたわよ」
ルリカの中では、老年の男性から聞いた、ハーピィの話を思い返しながらワンの話に耳を傾ける。
【ワン】
「それを使い贄を殺して魔力や生命力を貯めて、過去の同胞・・・悪辣な魔女や死霊をよみがえらせるつもりね」
【ダネル】
「ヴァルプルギス〜〜?」
【ワン】
「そう、騎士団や貴方たちは、そのための贄として集められた・・・そんなところかしら?」
うふふと笑うワンにマウザーはいら立ちを覚えながらも・・・
【マウザー】
「・・・敵は?動けないのなら他にも敵はいるのでしょう?」
【ワン】
「怖い顔しないで、せっかくの美人が台無しよ?」
【マウザー】
「早く答えて!!」

マウザーの怒声に周りの人間は少し目を丸くさせながらも、ワンは落ち着いて煙草を床に落として足で消すと。
【ワン】
「中の上から上の下クラスの魔法使いが3人・・・・1人はおいしく頂いたけどね」
【ルリカ】
「高レベルの魔法使いが後2人」
(それだけ?・・・・・魔女の力がよほど強いのか・・・・でも)
【ワン】
「ねぇ?他にも人がいるのかしら?扉」
ルリカが考え込んでいると、ワンが指さす扉がゆっくりと開き始める。
開いた扉の先には誰もおらず・・・・しかし・・・・
【ギルス】
「全員防御!!」

空いた扉からは大量の爆薬が。
次の瞬間、辺りは轟音と閃光に包まれる。



〜〜〜続く〜〜〜

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[5]第5話『ルリカVSアゲハ@ 裏切り』
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【ルリカ】
「いたたぁ・・・・・結構飛ばされましたね・・・・」
ルリカはぼーっと仰向けのまま空を眺める。
綺麗な夕焼け空を見ていると、すっと誰かが長い黒髪を垂らしながら顔をのぞかせる。
【アゲハ】
「残念・・・・死んでないの?」
【ルリカ】
「えぇ、残念ながら・・・・」
ぴょんと飛び上がり、アゲハと間合いを取ると。
【ルリカ】
「後、騎士の方々も出てきてもいいですよ」
ルリカは断の様に両手に”気”を練りこむと、恐らく隠れてみている騎士に声をかける。

【アゲハ】
「あらら、バレてたんだ」
ずらずらと出ていては剣を構える、ギルスの元にいた3人の騎士に合わせるようにアゲハも日本刀をすっと抜いて。
【ルリカ】
「元々、信用はしてなかったですが・・・・ギルスさんの話を聞いて確信しましたね」
ルリカはステップを踏むように、その場でとーんとーんと飛び上がると。
【ルリカ】
「一応、他の仲間にも調査をお願いしてますが・・・・指南役の方もそっち側でしょう?」
【アゲハ】
「あらら、ほとんど勘じゃなくて?」
【ルリカ】
「ええ、勘ですが・・・・今の問答と行動で確信に変わりました・・・・出てこなければ私も半信半疑のままだったのに・・・」

次の瞬間にルリカは素早く騎士の1人の懐に飛び込むと、”気”を纏った拳で腹部の鎧を砕き、そのまま蹴り倒すと剣の”鞘”だけを奪い取る。
【ルリカ】
「全員馬鹿ですねー、もっともギルスさんが逆の立場だったらもう少しうまく立ち回ったんでしょうが」
ルリカは鞘を構えると、とりあえずアゲハに先を向けて。
【ルリカ】
「久々の大暴れです・・・・全員張り倒して、騎士団及び衛兵に突き出します」



〜〜〜続く〜〜〜

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[6]第6話『マウザーVS瑠々@ 畏怖』
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【マウザー】
「ここは・・・?」
マウザーが辺りを見渡すと、日の光が全く入らない、恐らくは地下室。
マウザーはとっさの黒曜石化で爆発に巻き込まれるよりも先に重みで地下へと落ちていた。

【マウザー】
「とにかく、上に戻らないと・・・」
マウザーが歩きだした次の瞬間・・・・
【マウザー】
「っぅ!?」
マウザーの左腕に鋭い痛みが走り、鮮血が飛び散る。
【マウザー】
(斬られた!?魔法!?)

左腕の傷口を押さえて、ふらっと後ろへ下がると、辺りに声が響き渡る。
【瑠々】
「ごめんなさい・・・大きな魔力の塊が2つもあるから、本来は貴方は贄としては用はなくなったんですが・・・・」
次の瞬間にはマウザーの膝を鋭い痛みが襲い、鮮血をまき散らす。
【マウザー】
(いっぅ・・・・・見えない・・・・声も反響してどこからかは・・・・・)
【瑠々】
「1人でも残ると面倒事になるので・・・・・すいませんが出来るだけ恐怖を抱いてから死んでください」

マウザーは目を閉じ大きく深呼吸をすると。
【マウザー】
「ごめんね・・・・そんな死に方・・・・」
そういうと、人間の姿のまま炎を吐きだす。
竜の姿と違い、コントロールは定まらないが、そんなことお構いなしと部屋中に炎をまき散らしていく。
【瑠々】
(やけくそですね・・・・炎の切れたところに・・・・)
魔力で宙に浮きながら、身を隠すように炎を避けつつ、風の魔力を練りこんでいく・・・・

【瑠々】
(長い事吐いてますね・・・・でももうすぐ・・・・!?)
炎を避ける瑠々はいきなり、風のような圧力に吹き飛ばされ、壁に体を叩きつけられる。



〜〜〜続く〜〜〜

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[7]第13話『ルリカVSアゲハA 居合』
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【ルリカ】
「よっ・・・・・ふぅっ・・・・・」
ルリカは騎士とアゲハの剣撃を器用に躱して、距離を取りながら、距離をとる寸前に鞘を振るい、防御力の低い関節部に連撃を仕掛けていく。

騎士の1人が膝のダメージで足をもつれさせた瞬間に、ルリカは鞘を顔にぶち込んで2人目の騎士もダウンさせる。
【ルリカ】
「それっ!!」
すかさず剣を横薙ぎに大振りした騎士には、素早く身を屈め、膝を正面から両手で掌底し戦闘不能に陥らせる。

【ルリカ】
「さて、残りはあなただけですが・・・・・いいんですかー?魔法は使わなくても?」
【アゲハ】
「残念だけど・・・・私の魔法は魔女様のために・・・」
アゲハはすっと腰を下ろすと納刀し、居合切りの体勢を取り始める。
【アゲハ】
「私を倒さないと魔女様の体には手が出せない・・・・でも、この構えに飛びこむのは不利って・・・・わかるよね?」
【ルリカ】
「・・・・・・何か、勘違いしてませんか?」

ルリカは素早くアゲハの懐に飛び込むと、刀を抜こうとするアゲハの手に”気”を飛ばし、居合の初動を抑え込む。
【アゲハ】
「なぁ・・!?」
くるりと身体を捻るルリカに、再度刀を抜こうとするが・・・・・・断の様に出来るわけもなく、ルリカのハイキックがアゲハの顎をとらえる。
【アゲハ】
「技量の差ですねー・・・・・・それっ!!」
膝から崩れ落ちるアゲハの顎を、体勢を立て直し正面から蹴り上げると、アゲハは完全に意識を失い、バタリとうつ伏せに倒れこむ。

【ルリカ】
「さてと・・・・・」
手をパンパンと弾くと、アゲハを足で仰向けに。
【ルリカ】
「意識が戻って逃げられると迷惑なので、全員足だけ折らせてもらいますねー」
ルリカはアゲハの膝を踏みつける。



〜〜〜続く〜〜〜

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[8]第M話『マウザーVS瑠々A 剛剣と剛堅』
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【マウザー】
「はぁはぁはぁ・・・・・・・」
炎をまき散らしたマウザーの狙いは2つ、暗い地下室を何とか照らすためと、相手を燻りだすため。

放置されていた松明に火がともり、壁の木にも火が移り、辺りが照らされたころ、マウザーの目に映るのは、背中を押さえてうずくまる緑の髪の女性で・・・
【瑠々】
「いたぁ・・・・・なんですか・・・・・」
【ギルス】
「火のないところ目掛けて振るってみたが、案外と当たるものだな」

瑠々は立ち上がり杖に風を集めると、うねり切り裂く大きな風の球体を作りギルスに向かい飛ばす。
ギルスは両手剣を握りこむと、剣に風をまとわせ、剛力をもって風の球体を迎え入れる。
【ギルス】
「・・・・・・っ」
【瑠々】
「きゃぁ!!」
炸裂音と辺りに吹き散る爆風に、ギルスは踏みとどまるが、瑠々は再び壁まで吹き飛ばされて、壁に身体を叩きつけられる。

ギルスは剣を背中に仕舞うと、手甲を確認しながら、揉み解すように手首を回して。
【ギルス】
「勝負ありだな”お嬢さん”、魔力はすさまじかったが、こちらの剣の力が上回ったな」
【瑠々】
「まだです・・・・・まだまだ・・・・」
フラフラと立ち上がり、再び風を集めながら瑠々はゆっくりとギルスに近寄っていくと、ギルスは瑠々と違うところを指さして。
【ギルス】
「”お嬢さん”無理はやめとけ・・・・それでもやるなら、そちらのマウザー殿がやってくれるみたいだ」

瑠々はギルスの言葉と、辺りに小さく響くピキピキという音を聞きながら、ゆっくりとギルスの指さす方に顔を向ける。
【瑠々】
「あっ・・・・・・・魔女様・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
瑠々の意識は、黒曜石の竜となったマウザーの突撃で途切れることとなる・・・・・



〜〜〜ヴァルプルギスの夜・後編に続く〜〜〜

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