【怪奇譚⑦】『ヴァルプルギスの夜・後日談』
黒服団が出会う奇妙な事件や、伝承にまつわる事件。
ワンはその後どうなったのか？
そして、魔女側についた、魔法使いと騎士は・・・・・・
ルリカ
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[1]ワン
深夜
暁甘味処にて
【暁】
「やぁ来たのかい？」
【ワン】
「ええ、来てあげたのよ」
【暁】
「思っていたより早かったねー・・・っと君にとってはそうじゃなかったかな？」
ニコニコしながら、お茶を用意してテーブルに並べると、暁に促されるようにワンは椅子に腰を下ろす。
【ワン】
「で？本当に好きなものを奢ってくれるだけなのかしら？・・・・できればこのウザったい魔法を解いてほしいのだけれども」
暁は、まるで来るのを知っていたかの様に用意してあった和食をワンの前に並べると。
【暁】
「どっちがいい？僕としてはどっちでもいいんだけど・・・・・魔法を解くのなら、条件ぐらいは付けてもいいかな」
【ワン】
「条件・・・・うふふ、大抵のことならやるわよ」
【暁】
「そう？君には難しいかもしれないよ？」
箸を手に取り、食事を食べ始めるワンに暁は言葉を続ける。
【暁】
「僕の店で働いてもらおうかな。”心からの笑顔”でおもてなしってね♪」
【ワン】
「・・・・・・・・・あら、それは随分と・・・・」
ワンは考えながら、お椀を傾けて味噌汁を飲み干すと。
【ワン】
「・・・いいわ、やってあげるわ」
【暁】
「そう？じゃあ服を準備しないとね～」
【ワン】
「甘味処の店員ね・・・・・あの女にはあまり見られたくはないわね」
ワンは空のお椀に箸を乗せると、魔法を解除してもらいに、服を用意する暁の元へと歩き始める。
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[2]罪
アゲハ
・逮捕後は事件に関する情報を喋るが、特に反省の様子はなし。
・その後、留置されることになるが、脅しや身体を使い、脱獄ルートや脱獄道具の確保を行っていた模様。
・ある日、全裸で留置場所の風呂場で水死体として発見される。
・調査により、薬物に手を出し、薬漬けになっていた事が判明する。
・彼女に薬物を手渡した人物や、死ぬ直前に会っていた人間は、現在も不明のままである。
瑠々
・逮捕後も黙秘を貫き、拘束具を装着された状態で監視・監禁されていた。
・ある日、身体の血をほぼ失った状態で発見される。
・死体はひどく損壊しており、壁には彼女の血を使って、解読不明の魔方陣と文字が描かれていた。
・拘束具は外されておらず、檻を開けられた様子も見られなかった。
・監視者も姿を消しており、現在も見つかっていない。
ルナ
・アゲハの証言から、館の罠は彼女の魔法であることが発覚し、死体の回収が予定された。
・しかし、館の罠は残されており、回収不可能と判断され館ごと焼き払われた。
・焼け跡からは彼女の頭蓋骨以外の骨が回収されたが、頭蓋骨は発見されなかった。
中途半端な力で魔女に手を出すから・・・・・・・
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[3]罰
・ある留置所で原因不明の爆発が発生。
・負傷者は奇跡的に出なかったが、事件で魔女側についた騎士の一人が巻き込まれ死亡した。
・爆発後、留置されていた人の移送が行われた。
・移送終了後に倒れている人物が発見された。
・腹部と背中に複数の刺し傷があり、発見されたときににはすでに死亡していた。
・犯人は未だ見つかっていない。
・死亡した人間は、魔女側について拘束されている騎士の一人であった。
・留置所内にて首を吊った遺体が発見された。
・首吊りに使用された、絹製のローブは彼の所持品ではなかった。
・彼もまた、事件時に魔女側についた騎士の一人であった。
・事件の黒幕として逮捕された老年の男性は、魔法使いの調査により、半洗脳状態にあったことが判明する。
・息子の死をひどく悔やんでおり、害はないことから釈放される。
・釈放後は、後任の育成と騎士の育成に力を入れていた。
・とある日、彼は『息子の所に行ってくる』と言い残し、自ら首を切断し死亡する。
・彼は死亡前に騎士の育成論を作成している。
・彼は連日『自分が死ぬ前に』と周囲に漏らしており、一連の怪死の答えを持っていた可能性がある。
魔女を使おうとするから・・・・・・
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[4]ナカサノバへの追加報告書
消えた遺体に関する調査、及び、奪還以来の報告書（追記分）
最近の消えた死体の事件の関係者の怪死に関して、危険ではあったものの再び骨を1ヵ所に集めました。
結果としては、回収、粉砕、分配した時よりも、目に見えて骨の量が減っていることが判明しました。
そこで、骨を再び1つの瓶に密閉した後”暁”という人物の力を借り、別の次元へと骨を”飛ばす”という方法をとりました。
それ以降、怪死事件の報告が上がっていないことから、成功したと認識し報告をしておきます。
しかし、危険度は判別不可能の事案として、一定の期間の様子見を提言します。
～～～ヴァルプルギスの夜・完～～～
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