【怪奇譚H】『手紙』
黒服団が出会う奇妙な事件や、伝承にまつわる事件。
マサダやルリカの元に届いた謎の手紙。
その手紙の行く先は・・・・・・
ルリカ
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[1]第1話『手紙』
晴天の昼下がり
詰所内、ルリカの執務室にて
ルリカは珍しく特に依頼も仕事もない日が重なり、のんびりとコーヒーを飲んで過ごしていると、ドアをノックし、これまた珍しくマサダが執務室へと入ってくる。
【マサダ】
「団長、手紙が届いてるよ」
【ルリカ】
「??」
手紙自体はしょっちゅう届くし珍しいものではない。
でも、マサダが持ってきたことは思い返してみても一度もない、大体はガリルかマウザーか時折ストークス・・・・
【ルリカ】
「マサダさんから私に・・・・って訳でもないですよね?」
【マサダ】
「あぁ、それなら直接伝えるよ」
【ルリカ】
「・・・・とりあえず、座ってください」
ルリカは椅子から飛び降り、マサダの椅子を用意すると、マサダのコーヒーを淹れ始める。
【ルリカ】
「とりあえず、手紙の中身を見てみましょうか」
ルリカは椅子に座りなおすと、少し上体を上げて、机に置いてある手紙を覗き込む。
【マサダ】
「書いてあることは、すぐに覚えられる内容だけだ」
【ルリカ】
「??」
ルリカが不思議そうな顔をマサダに向けると、マサダは封筒を破き、中に入った1枚の紙をテーブルに置く。
【マサダ】
「封筒の外には何も書いてない、そして中は・・・・」
中に入った紙には赤い字で、ただただある地点の建物の概要が書いてあるだけ。
【マサダ】
「こんな手紙がうちの教室にも届いた。おそらく他にも届いてるところがあるだろうね」
さっきまで晴天の空がどんよりと曇天に包まれる。
ルリカの頭の中もまた、どんよりと言いようのない靄がかかるような気持ちに・・・・
〜〜〜続く〜〜〜
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[2]第2話『雨』
マサダが近くの部屋に交信用の魔方陣を設置しに移動した後も、ルリカはテーブルの上の手紙とにらめっこ。
マサダは教室の生徒・・・リナ(*1)という女性に偵察をお願いしたと言っていた。
【ルリカ】
(今わかっているのは、場所は山の中腹・・・・そこにある廃棄された別荘・・・・崩落・水の流れ込む可能性のある危険地帯・・・)
マサダがリナに出した指示は3つ。
場所に近づかないように付近の捜索・場所に入ろうとする者の制止・それでも入ろうとするものにはついていかない。
【ルリカ】
(おそらくマサダさんはこの手紙から何かしらの良からぬ魔力を感じ取って・・・・ガリルさんも呼びましょうかね・・・・)
ガリルを呼ぼうか・・・専門的にはダネルか・・・色々と考えていると、不意にドアをマサダがノックして入ってくる。
【マサダ】
「団長、準備ができたよ」
【ルリカ】
「・・あっ!はい、行きましょう」
2人はマサダが設置した魔方陣のある部屋へと向かって行く。
マサダに案内され部屋に入ると、2人はそのまま光を放つ大きな魔方陣の中へと入っていく。
【マサダ】
「これで相互に声が聞こえるはず・・・・おーいリナ、聞こえるかい?」
【リナ】
「アタイの方は感度抜群でっさー、先生はどうですかー?」
【マサダ】
「オッケーだ、団長に代わるよ」
【ルリカ】
「初めましてリナさん、しっかりと聞こえていたら、状況をおしえてください」
【リナ】
「はじめまして、ルリカさんのことは先生とギルスさんからかねがね・・・」
マサダと自分への返信から陽気で丁寧な性格だと確信すると、現状について聞いてみる。
【リナ】
「こっちは雨がちょくちょくと・・・」
ルリカは窓から外を確認すると、確かに外は雨が本降りになってきている。
【リナ】
「後、2人にお知らせしないといけないのが、3人組の人が手紙みたいなのもって入っていっちゃいましたー」
【マサダ】
「止めたのかい?」
【リナ】
「もちろん止めましたよー、ギルドの依頼と嘯いて・・・・でも言うこと聞かずにどんどんと・・・ひぃぁ!!」
その時、リナの驚いた声、雷の轟音に続き土砂降りの雨の音が魔方陣の通信から2人の耳へと聞こえてくる。
〜〜〜続く〜〜〜
*1 リナについては別スレの黒服団員以外の登場人物を参照ください。
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[3]第3話『崩れる』
【マサダ】
「リナ!?」
突如響いたリナの叫び声にマサダが心配そうな声を上げると。
【リナ】
「大丈夫です〜先生・・・・ちょっと雨風凄すぎて、木から落ちそうになっただけです」
マサダとルリカはふーっと息を吐き、肩から力を抜くと。
【ルリカ】
「リナさん、一度詰所の方まで戻ってきてください、場所は・・・わかりますよね?」
【リナ】
「はい、承知してまーす」
【ルリカ】
「では、着替えもこちらで用意しておきますので」
【リナ】
「ありがとさんです・・・・・・・おやっ?」
【マサダ】
「リナ?」
リナが不思議そうな声を上げると、すぐさまマサダが返答する。
【リナ】
「ちょっと待ってくださいね先生・・・・おー・・・これは・・・」
【マサダ】
「リナ?ちゃんと状況の説明を・・・・」
【リナ】
「もの凄い地鳴りと水の流れる音・・・・これ土砂崩れしちゃってますよ」
【ルリカ】
「土砂崩れ・・・・」
確かにあの場所は崩落の危険性のある危険場所だったはず・・・・
考える間もなくリナから続けざまに返事が返ってくる。
【リナ】
「今ならもうちょっと近づけますが・・・・」
【マサダ】
「いいえ、おとなしく帰ってきなさい、団長もそれでいいですよね?」
マサダの言葉にルリカは頷くと。
【ルリカ】
「はい、そのあとの調査は私とマサダさんで続けるので、リナさんは大人しく帰ってきてください」
【リナ】
「はーい、そんじゃお言葉に甘えてアタイはとっとと帰りますねー、着替えとバスタオルよろしくですー」
リナとの通信は途絶えると魔方陣から光が消えて。
【マサダ】
「さてと、雨がやみ次第すぐに出れるように準備しておいた方がよさそうですか?」
【ルリカ】
「はい、ですがまずはリナさんの着替えの準備しておきましょう」
〜〜〜続く〜〜〜
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[4]第4話『弔い』
3日後
晴天
ルリカとマサダはリナの案内のもと、土砂崩れのあった現場へと山を登り始める。
ルリカはその手に手紙と花束を携えて・・・・
活動していないがその山は火山と見られ、恐らくは河口付近にいくつものカルデラがあったのだろう。
行く手を遮る、河、河、河・・・・
マサダの魔法で足場を作りながら、どんどんと目的地に進んでいくと・・・
【リナ】
「多分、位置的にここですよー、先生、ルリカさん」
リナが目的地という場所・・・・大きく深そうな池。
水は濁り、縁は時折ボロボロと崩れながら、何か吸い込まれそうなそんな雰囲気を醸し出している。
【マサダ】
「どうみる?団長」
【ルリカ】
「リナさんの言う通り、ここで間違いないでしょうねー・・・ほら」
ルリカはふっと指をさす・・・・・2人が視線を向けた先は、頑丈そうなむき出しになった岩盤に人工物が設置された名残・・・
【ルリカ】
「何かに使おうとしたけど、土砂崩れや洪水の危険性があって断念・・・・その後に何があったのかわかりませんが」
そういうとルリカは2人より少し池に近づく。
【ルリカ】
「そこで不幸な目にあった人が呼び寄せたんじゃないですかねー?・・・誰か一緒に”あっちに行こう”って・・」
【リナ】
「ちょっと・・・ルリカさん止めてくださいよ・・・怖いじゃないですか・・・」
苦手なのか怖がるリナの頭をマサダがポンポンと叩くと。
【マサダ】
「それで、それを?」
ルリカの持つ花束を指さす。
【ルリカ】
「ええ、一緒に行ってあげられないですが、せめてもの手向けです」
そういうとルリカは花束を池へと投げ込む。
【ルリカ】
「あまり長居すると危ないですから帰りましょう」
ルリカは池に背を向け歩き始める・・・・マサダは後を追うように、リナは速足でルリカについていく。
ルリカの投げた花束は池へと沈んでいく・・・・誰かに引っ張られるようにまっすぐに・・・・見えない底へと・・・
“・・・誰か一緒に・・・・”
〜〜〜手紙・完〜〜〜
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