静かに追悼したいのに…沖縄慰霊式でヤジ「安倍は帰れ！」

安倍晋三首相は２３日、沖縄県糸満市を訪れ、先の大戦の沖縄戦で犠牲となった戦没者を追悼する「沖縄全戦没者追悼式」に出席した。

首相はあいさつで「沖縄に米軍基地が集中する現状を変えなければならない。負担軽減に向けて結果を出す」と述べた。
首相のあいさつの途中、会場からは「安倍は帰れ！」などのやじが飛んだ。

■産経新聞「沖縄戦終結７４年　静かな環境で追悼したい」

追悼の場に政治的な問題を持ち込み、意見を異にする立場の非を鳴らす行為は厳に慎みたい。
ところが、昨年まで知事だった翁長雄志氏は、毎年追悼式で読み上げる「平和宣言」の中で、米軍普天間基地の辺野古移設を批判してきた。

戦没者への追悼の言葉を述べる安倍首相に対し、辺野古移設反対派と思われる参列者から、「帰れ」などの心ないやじが毎年のように飛んでいる。

極めて悲しい出来事だ。追悼式を知事が政治的発信の場としたり、参列者のやじにより厳粛さを損なわせたりしていいわけがない。
翁長氏の後継として当選した玉城知事だが、平和宣言の政治利用は踏襲しないでもらいたい。

住宅密集地にある普天間飛行場の辺野古移設は、普天間周辺に暮らす県民の負担軽減と同盟の抑止力を両立させる現実策である。
これに反対するため戦没者追悼式を利用していい話ではない。