８０代女性、３つの口座に計１億３８７０万円振り込み、複数の男に全て引き出され所持金なくなる　どんな手口だったのか―

ことし３月から５月にかけて、三重県津市の８０代の女性が弁護士などを名乗る複数の男から、うその電話を受けて１億３０００万円余りをだまし取られる事件があり、警察は特殊詐欺事件として捜査している。
警察によると、被害金額は三重県で起きた特殊詐欺としては統計を取り始めてから、過去最高額だという。どんな手口だったのか―。

ことし３月、津市に住む８０代の女性の自宅に男から電話があり、熊本県の災害復興に関連して“個人番号”という数字を伝えられた。
女性は意味がよく分からなかったが、別の男から電話があり、その際に個人番号を尋ねられて答えた。
すると今度は、弁護士を名乗る男から電話があり「あなたが個人番号を伝えたので訴えられた。訴えを取り下げるにはお金が必要だ。キャッシュカードを渡してほしい」と言われた。

そして女性は、自宅を訪ねてきた弁護士の秘書を名乗る男に３枚のキャッシュカードを手渡し、暗証番号も伝えてしまったという。
このあと女性は口座への入金を求められ、１４回にわたって計１億３８７０万円を３つの口座に振り込み、すべて引き出されてだまし取られたという。
女性はさらに入金を求められたが、所持金がほとんどなくなり、友人に相談して初めて被害に気付いたという。