お前と逢った
仲見世の
煮込みしかない くじら屋で
夢を語った チュウハイの
泡にはじけた約束は
灯りの消えた浅草の
コタツひとつのアパートで
おなじ背広をはじめて買って
おなじかたちのチョータイつくり
おなじ靴まで‥
買う金は無く
いつも笑いのネタにした
いつか“売れる”と信じてた
客が二人の演芸場で‥
夢を託した100円を
投げて 真面目に拝んでる
顔に浮かんだ幼子の
無垢なこころにまた惚れて
ひとり訪ねたアパートで
グラスかたむけ 懐かしむ
そんな時代もあったねと
笑う背中がゆれている
夢は捨てたと云わないで
他にあて無き二人なのに‥
夢は捨てたと云わないで
他に道無き二人なのに‥
ビートたけし《浅草キッド》
唄:竹原ピストル