妻が「お漏らし」事件！“しまり”を良くする失禁対策

●　突然の強烈な尿意で走りながら失禁

「すみません、トイレ貸してください！　」

突然耐え難い尿意に襲われ、必死の形相で嘆願した晶子さん(仮名・58歳)に、年若いコンビニ店員は冷たかった。

「お手洗いはお貸ししておりません」

きっぱりと断られてしまったのだ。

(あんな冷たく断るなんて、自分のお母さんが同じ目にあったらどうするの？　
あなただって、いずれ年を取ったら、私のこの切羽詰まった辛さが判るはず。もう、絶対、あのコンビニでは買い物しないわ)

など心の中で悪態をついてみるが、実際問題、膀胱は爆発寸前で、それどころではない。

(そうだ、駅！　　駅のトイレに行けばいいんだ。急がなくちゃ)

履きなれないハイヒールの高いかかとを、ポッキリ折れそうなくらい酷使しながら晶子さんは走った。

(見えた、あと少し)

そう思った瞬間、足首をがくっとひねり、よろけた。そして……

「あ、あ～～～～」

周囲の通行人が思わず振り向いてしまうほどの悲鳴と共に、失禁してしまった。

悲鳴の後はもう、笑うしかない。

「あはははは、やっちゃった。う～ん、もうやんなっちゃう」

せいいっぱいの強がりだった。

一刻も早く、その場から立ち去らなければ。

足早に歩く晶子さんを追いかけてきたのは、今日一緒に友人宅を訪問したB子さん。

晶子さんが気の毒過ぎて、B子さんはかける言葉見つからない。

勝手が分からない街で、トイレを借りる店をなかなか探せなかったことに責任の一端を感じている。

幸い、濡れたのは下着と靴だけで、スカートは内側が少し湿った程度で済んだ。

駅のトイレで下着を脱ぎ棄て、靴のおしっこを拭いた晶子さんとB子さんは、電車に乗るのを止めてタクシーで帰路についた。

●　40～50代の女性を悩ませる尿漏れの恐怖

晶子さんの失禁の原因は、「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「過活動膀胱」といった女性の排尿障害にまつわる代表的な病気が束になって襲ってきたもの。

「腹圧性尿失禁」は、急に立ち上がった時や重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入ったときに尿が漏れる。
骨盤底筋群という尿道括約筋を含んだ筋肉が緩むためにおこる失禁だ。40代以上の女性の3人に1人が、この失禁で悩んでいるという。

一方「切迫性尿失禁」は、急にトイレに行きたくなり、我慢できずに漏らしてしまう。膀胱が過敏になる、過活動膀胱に伴って起きる。

そして「過活動膀胱」は、急にトイレに行きたくなって我慢できないという尿意切迫感が、だいたい一週間に1回以上起こる病気。
膀胱が誤作動を起こし、尿の溜まり具合とは関係なく収縮したり、尿意を感じたりする。結果頻尿となり、一日中トイレに通うハメになる。

いずれも、最も影響を及ぼしているのは「出産」と言われている。

ダイヤモンド・オンライン 1/20(金) 6:00配信