浮舟〜阿修羅道〜



世は戰…

荒野の如く風吹きあれり

人の心にも鬼が住むと言うものの
戦乱の御時世に願いをかける人
もいたり…

明日は我が身か?

血風に身を晒し生きる武将の魂や
また其の影に報われぬ人の

晴らせぬ恨み晴らす影現れたり…
縁あれば繋がりたり


小萩
emoji[clock]2012/05/03 00:48
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残660件カキコミ可 1/12n

[1]小萩
emoji[clock]05/03 00:56
(あらすじ―。冷たい風吹き荒れる戦国の世、小萩は或る武将の城で下働きとして雇われている。忙しい日がやっと終わり、帰り道を行く或る日、幼馴染みの男と再開し、昔生き別れになった双子の姉の死を知った事から、闇に生きる生涯となる。
★舞台は戦国バサラ×必殺仕事人希望です。古い所に作っといたのが消えたので作りました。
参加自由です。)


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[2]小萩
emoji[clock]05/04 22:04
(削除のやり方が分からなくて…18禁イメプレに移そうかと思うので、もし興味ある方はそちらへ来てください。)


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[3]小萩
emoji[clock]05/04 22:13
(手間が掛かるのでやめました。前より使いづらくなりました…。このままにしときます。)


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[4]小萩
emoji[clock]05/04 22:55
ある昼下がり―。
忙しい一日の仕事やっと終わらせた小萩は、城の炊事場の片付けを済ませ、帰り道を歩いていた。
城の雑用として雇われて、もう四年の月日が経つ。
カランカラン…シャン…

粋な柄の鼻緒の下駄に飾る鈴を鳴らしながら城下町を行く―。
小萩は19歳―。
藍の着物を纏うが、まるで北国のアイヌが着るような民族を思わせる小袖が際立った。

華奢な身体に大きな黒い瞳、癖のないまま、高くまとめ上げた黒髪は印象的だ。


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[5]小萩
emoji[clock]05/07 22:15
時は戦の影が潜む―。
貧困時代もいい話だ。

貧富の差とは言うが、それは何時の時もあるのかもしれない―。
例え景気が傾いても、恵まれている強運の持ち主もいれば、また身を粉にして明日を生き抜く者もいるのだ―。


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[6]小萩
emoji[clock]05/07 22:27
城下町は今日も行き来する人や、店に客を引く声で賑わう―。
小萩は一息つこうと、茶屋に入り、わらび餅と茶を頼んだ。
ようやく明日から四日間の休みにはいれる…。
此の所、早出、遅出と働きづめであった。


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[7]小萩
emoji[clock]05/11 15:01
茶で一息…ふう、と溜め息をつく。
茶屋はまだ昼下がりなのに、客は少なくガランとしている―。


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[8]小萩
emoji[clock]05/11 15:15
小萩に身内はいないと言ってもいいのかもしれない―。
母は廓育ちの身分の高い遊女で、売れっ子だった―。
そして領主であった父に身請けされ、小萩と双子の姉が生まれた。だが…裕福の時は永くはなかった。
領主であった父がお役目御免となり自害し、まだ若かった母と双子の姉妹は安い長屋に住み、母は身を粉にして働きづめであった。


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[9]小萩
emoji[clock]05/11 21:29
生きていた頃の母の話だと、お役目御免となった後の父は酒浸りの生活に至ってしまい、何かと暴行を散々働き、怯える最低な暮らしの中、逃げようにも逃げられず、もう娘二人を遊女にする覚悟で廓に逃げ帰った後で、父の死を知ったらしい―。


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[10]小萩
emoji[clock]05/11 21:33
妻と娘二人の後を追う途中で、何故か書き置きを残し、川にはまった状態で死んでいたという…。
その後、母は身分の低い遊女として働かされており、ある男は双子の姉妹を可愛がってくれたが、母は過労で倒れそれきり…。
姉妹は引き離された―。


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[11]小萩
emoji[clock]05/11 22:17
そうして双子の姉は別の土地に奉公に出され、小萩は城の下働きとして使われる事となったのだ―。


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[12]小萩
emoji[clock]05/12 21:18
可愛らしい女中として、慣れないうちは殿の身の回りの世話などする時は不安だった―。
未だに男を知らない小萩にとって、湯間で身体を洗う事など、戸惑いを隠せぬ物はないのだ…。


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[13]小萩
emoji[clock]05/13 00:37
やがて家路に着く―。
小萩は小さな古民家に住む。
季節は初夏―。
夕暮れ時に、ゆっくりと湯に浸かる。
まだ男を知らぬ白く熱き柔肌に、ふくよかな乳房、桃色の乳首
華奢な腰は女でも魅了される…。


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[14]小萩
emoji[clock]05/13 01:47
窓からは美しい月が見える―。
何故か切なかった…。
よせばいいのに、一目惚れ…。
この所、何もかも上手くいっていたか…?
実を言えば最近になって、好きな人がいたのである。
もちろん、女中の仕事が終わった後も逢い引きしていた―。


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[15]小萩
emoji[clock]05/13 01:54
それは周りからみれば、松の木小萩であった。なんと滑稽だろうか。
約束してもなかなか来ない相手を待ち、そのうち陣の張り幕の見える菖蒲の原に座り、そしてやっと相手が現れて、共に歩き出す光景は目立っていた―。

そんなある日…
やはり、相手はなかなか来ない…
そして現れたと思ったら…


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[16]小萩
emoji[clock]05/13 02:10
相手の男は旅支度をしていた―

小萩「涼…?」
涼次「済まない…。忘れられない女が故郷にいるんだ。小萩の事は好きだった…けど、その女の代わりには…。」

小萩「そっか…。いいよ、幸せになりなよ…。」
精一杯の笑顔で見送ったあの時…。
本当は何処までも行けると信じていた。


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[17]小萩
emoji[clock]05/13 02:34
けど幸いな事に、身体だけは綺麗なままで残された事が救いだった…。
一人物思いに浸りながら、簡単に夕飯を済ませ、蚊帳を張った寝室へと入る…。
大きな重ね夜具に、枕は一つ。
蚊帳の中から外を見る…。
何故だろう…
気持ちは締め付けられるように痛かった。


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[18]小萩
emoji[clock]05/13 19:38
まだ嫁入り前の初々しい娘は、重ね夜具の上に一つ置かれた枕を眺めた。
赤い行灯は妖しく揺めき、夜風に部屋を彩るものは揺れ、小萩は夜着に纏う、紫の前帯の赤い長襦袢と黒の単姿のまま、高く纏め上げた髪をほどくと夜具に身を沈めた…。
今宵、城では夏の陣、出陣に向けての宴が開かれていたが、小萩は出席しなかったのだ…。


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[19]小萩
emoji[clock]05/13 19:48
寝付けず、一人酒でもしようかと思い付く…。
小萩の噂は今宵の宴で囁かれていないのだろうか…。
咲いて萎んで捨てられましたと…。
小萩が一人酒をしている時、宴は盛大に繰り広げられている。


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[20]小萩
emoji[clock]05/14 00:24
ふと…じゃらんの鈴が闇に鳴り響いた。これは?
今宵も何処かで…啜り泣きが聞こえるな…。

小萩は夜着を解くと、髪を高く結い漆黒の殺し装束を纏い、黒の脚絆と草履姿と変わる。

小萩の屋敷裏の人気の消えた神社の境内に、女が啜り泣いている。


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[21]小萩
emoji[clock]05/14 00:38
そして影の舎殿に待つのは、情報屋の彩女だ―。
彩女は忍でもある。

小萩「待たせたね…姉さん。」
彩女「平気さ、それより今宵の敵は高利貸し屋の銀蔵だよ。」

女「これで兄の恨みを…殺された兄の無念を晴らして…」

女は泣きながら包んだ銭を境内に置く。

小萩「分かった…。その願い聞き届けたよ。さ、そのまま背中を向けてお行き…。 」


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[22]小萩
emoji[clock]05/14 00:46
女が去ると、鋭く光る殺し道具の苦無を忍ばせ、小萩は大きな屋敷へと向かう。

銭の重さは無念の思いに等しいんだ…。それを忘れるな―。

亡くなった大元締めが教えてくれた事だ。

城では盛大に宴が開かれているのが夜目にも分かる。


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[23]小萩
emoji[clock]05/14 00:50
まさか城の人々は、まだ純真で外見も華奢で器量良しの、この娘が殺しを請け負っているとは想像もつかないだろう―。


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[24]小萩
emoji[clock]05/14 15:59
今宵もまた闇に葬る輩が一人…。
寂しくじゃらんの鈴音が鳴り響き―。
霞月はあの世への架け橋となるか…。
南無阿弥陀仏…
南無阿弥陀仏…

夜風の音は経文の声がこだますようだ…。


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[25]小萩
emoji[clock]05/14 16:23
少し歩き、気配を伺い、猫のように素早く塀の上に飛び上がると、悪徳高利貸屋の大きな屋敷の屋根に上がる―。

天井裏から中の様子を見てみると、そこには大金を手に、その妻と豪華絢爛な着物や、金品など目の前に高らかに笑う銀蔵の姿があった…。

罪もない人間から金を騙し取って…濡れ衣を着せて殺すとは…
何て汚い男…。許さない…。

小萩は気持ちを押し殺し、中へと忍び込んだ…。


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[26]小萩
emoji[clock]05/14 16:38
銀蔵の部屋近くにある、大広間へと身を潜めると、腰に付けたじゃらんを鳴らした…。
リイイイン…リイイン…。
じゃらんは屋敷にこだまし、黒幕の男は大広間に現れた。
銀蔵「誰かいるのか…?」
だが返事はない―。

銀蔵「おい!盗人なら出てこい!余り俺を怒らせるなよ…」

鈴の音がこだまする方に向かってくる―。
小萩は素早く幕の影に身を潜めた。
銀蔵「…何だ?」
その直後―。
ザクリ!ズブッ…!

銀蔵は口から大量の血を吐いて倒れた。
背後から喉を一突きにされたのだ。
ぐえ…うぐ…
呻き声を上げ血の海が広がる床で悶える。

銀蔵「お、お前は…まさか…」
小萩「これから三途の川を行く者に名乗る必要はない…。」
と更に一突き…。

そして相手が息絶えると其処を後にした。


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[27]小萩
emoji[clock]05/14 17:17
夜風が身に染みた…。
夜更けに霞む月に小萩の影が反射すると…
桜貝のような花びらが舞った―。
やがて彩女の待つ神社裏の舎殿へ辿り着く。

彩女「腕を上げたね…。今宵の取り分だよ。」
小萩に包みから取り出した小判を差し出す。

小萩「ありがとう…。姉さん。」
夜は少しずつ明けていく―。

彩女「さ、気を付けて帰りな。見つかるんじゃないよ…。」
小萩「姉さんも気を付けてね…。じゃあ、また…。」
彩女と別れると、小萩は煙を巻いた―。


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[28]小萩
emoji[clock]05/14 20:14
既に霧のかかった朝―。
小萩は再び湯舟に浸かっていた。
この仕事を請負うようになり、五年になる―。
小萩は双子の姉が遊郭に売られ、無惨な死を遂げていた事をきっかけに、仕事人となったのだ―。

師匠は亡き大元締め、主水だった―。
主水の与える課題は、とても厳しかったが、自らの身を守るのは自らだ…。という教えを守り成長していき、くの一である彩女と共に仕事をこなせるようになった事を思い出しながら…。

そして城では自分を可愛がってくれる身分高き方がいる事を…。


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[30]小萩
emoji[clock]05/15 01:05
(何度かチャットにも来てますが、戦国時代に興味ある人は自由参加ですので、気兼ねなく飛入りしてきてください…。)


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[31]小萩
emoji[clock]05/15 16:10
血の匂いが消えた所で、一寝入りしようと寝室に行く―。
銭を隠し、目が覚めるような赤い長襦袢に紫の前帯を絞めた姿で、一人寂しく布団に体を沈める…。
その日、小萩は昼過ぎまで起きなかった―。


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