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<未来の子> 明日香「・・・・・・」 (明日香、顔についた返り血を海水で洗う。) 長門「終わりましたよ」 (長門、孤児院の名取に伝え、警戒をしながら一緒に外に来る) 元名取「あ、貴女達は一体・・・?」 明日香「先程もお伝えした通り、私達、いえ、主に私がとある友人、冨塚崇史大佐、彼の資料、そして情報を探しているの。でもさっきみたいな奴等が彼の情報を操作して消去したり、改竄したりしている。私は彼の真実を知りたい。そして、彼が残し、無実の罪で裁かれようとしている、彼の友人を助けるためにこうして動いているの。」 元名取「冨塚、崇史さん、ですか。それなら私の方にも資料があります、きっと貴女方が居なければこの場所はきっとより多くの危険に晒されていたでしょう。どうぞ、こちらへ。」 (名取に案内され、孤児院の中へ。多くの子供たちが無邪気に明日香や長門の傍に集まって来る) 男の子「お姉ちゃん背が大きいね!僕も大きくなるよ!」 長門「元気にしているんだぞ、君なら大きな子になる。」 女の子「・・・・・・」 (女の子が明日香の上着、返り血が付いて赤くなった提督の上着をぎゅっと握って明日香の傍から離れない。) 明日香「・・・・・・」 (明日香、自分の上着を脱いでその子にかけてやる。女の子と同じ目線になるように座る。) 明日香「あげる。私の事を忘れないで。貴女が提督、というものに興味を持ったのかしら。なら、負けないようになさい。天才なんて目指す必要はない。貴女が出来る事をして、たくさん知識をつけて大きくなりなさいね。でもね、人を無闇にやっつけたり、悲しませたらいけないわ、約束よ。」 女の子「・・・約束。」 (女の子、小さく頷く。) 明日香「良い子ね、こんなボロボロになっちゃったし汚いけど、貰ってくれる?」 (女の子、小さく笑んで頷く) 明日香「じゃあ、これもおまけに持って行って」 (提督の帽子を女の子の頭にかぶせてやる) 女の子「!」 長門「おい、いいのか」 明日香「ええ。私はもう提督じゃあない。吹雪からしたら提督なんでしょうけど、一艦隊を持っているわけじゃあない。なら、この世界を切り開き幸多い未来の子に託した方がいい。私の、提督という役目はもう終わってるの。崇史がいたらきっと笑うでしょうね。」 女の子「・・・名前、聞きたいの」 (小さい声で女の子が聞く) 明日香「上着にも帽子にも書いてあるけど、よおく覚えておいて。」 (明日香、そっと立ち上がり、女の子に背中を向ける) 明日香「私は桐生明日香。この世界に産まれた一人の提督。艦娘を愛して、共に生きた人間。素敵な男の子に恋をして、愛して、弟と生きている。」 女の子「・・・桐生、明日香、提督・・・。」 明日香「この未来は貴女や君達のような若い子達が闇を払って進んでいくのよ。私に会いたいなら、大きくなったら、アメリカのビキニ基地においで。」 女の子「ビキニ、基地、アメリカ・・・。」 明日香「命は大事にしてね、約束よ、お嬢ちゃん。」 (そう言って長門に合図を送り、名取を追う) 女の子「・・・・・・」 (女の子は嬉しそうに、その赤く染まってしまっている上着と提督帽子を着た。ぶかぶかだが、明日香の優しい匂いが残っていた。) (奥の部屋) 元名取「あら、明日香さん、上着と帽子・・・」 明日香「ああ、一人の女の子にプレゼントさせてもらったわ。汚いしボロボロになったけど。勝手なことしてごめんなさいね。」 元名取「いえ、有難うございます。元気に生きてくれるのであれば結構ですよ。・・・これです、これが私が持っている資料です。」 明日香「そんな大事な場所にしまってあるなんて誰も思わないでしょうね。」 (仏壇の位牌、そこから資料を取り出し明日香に渡す。) 元名取「それと、崇史さんに推薦された少将が山口県にいらっしゃいますよ。ええと、お名前は井上康成さんですね、行ってみてはいかがですか?何か知っているはずです。」 明日香「ありがとう、また戻ってきてもいいかしら」 元名取「ええ、どうぞ来てください。待っていますから。」 (資料を持ち、長門と共に一旦孤児院を出る、紹介された場所へと向かって行った。) (山口県のとある場所。) 明日香「・・・何にも残ってないじゃない。先を越されたわね。」 長門「前に行った佐世保は大丈夫だろうか。」 明日香「あれだけ脅したのよ、向こうに行ってみてアイツらが居たら容赦なしに潰してやるわ。・・・また孤児院に戻りましょうか。」 長門「・・・仕方あるまい。」 (再度孤児院に向かう) 元名取「あら、お早いお帰りで・・・。」 明日香「何も残っていなかったわ。・・・殺害された後ね。家も焼かれてた。」 元名取「そ、そんな・・・!?」 長門「・・・何か、冨塚崇史提督について、知って居る事があれば、知って居る範囲でいいので是非教えて欲しい。」 元名取「・・・わかりました、私が当時まだ艦娘、名取だった頃、ある噂があったんです。」 長門「噂?」 元名取「上官の方が懸命になり、喉から手が出るほど欲しがった情報も資料も金庫には残っていなかった、と。冨塚崇史さんがきっと生き延びて、監視の目を掻(か)い潜(くぐ)って持ち出し、どこかに身を隠しているんじゃあないか、と。」 明日香「・・・資料の持ち出し・・・?」 長門「その噂を決定づける証拠みたいな、記録のようなものは?」 元名取「残っていません、記録すら残っていないんです。けれども、崇史さんはとてもお優しい方でしたから、たくさん助け、かばって下さる方もいらっしゃったでしょう。」 明日香「・・・今となっては捜索は出来ない訳だわ。見つけられないはずね。」 長門「どうする?」 明日香「・・・一つだけ行ってない場所があるじゃない。誰にも詮索されず、保存するには持って来いな場所が、ね。」 長門「どこだ?」 明日香「さはらはる。あの場所の資料室なら、一将なら絶対に誰にも渡されないような場所に隠しているに違いないわ。」 長門「なら丁度いい、次に行く場所もさはらはる・・・」 明日香「いや、二か所寄る場所があるわ。」 長門「?」 明日香「彼の写真を預かる為に鳥の沖ノ島。あと、タウイタウイ。あるモノを取りに行く。」 長門「一将提督の方は間に合うのか。」 明日香「大淀から連絡ない?」 長門「特別ないな。」 明日香「なら大きく目立った動きは無い。奴らもきっと一将の情報収集や無罪のでっち上げに時間がかかっているんでしょう。急ぐわよ。」 長門「お邪魔した、このまま無事に生きてくれ。」 元名取「有難う、またこちらに来ることがあれば是非立ち寄ってくださいね。皆さんでお待ちしていますから。お茶も出せずすみません。」 明日香「いいえ、大丈夫よ。また来ることになるでしょうから、末永くよろしくね。」 (そう言って孤児院を出ようとする) 女の子「あ、あの・・・っ」 (明日香の背中に声がかかる) 明日香「あらお嬢ちゃん。見送りに来てくれたの?」 女の子「な、名前、伝えてなかったの・・・。覚えて、ほしいの。」 明日香「勿論。貴女の名前、教えて?」 女の子「く、黒羽、黒羽朱音(くろばあかね)、です。」 明日香「黒羽ちゃんね。いつかまた会いましょう、美人さんになりなさいね?」 (明日香、黒羽の頭を撫でて、そのまま長門を連れてさはらはるへ飛んでいった) 元名取「宝物が出来たね」 黒羽「・・・はい。」 (黒羽、ぶかぶかの明日香の提督服を愛おしそうに握りしめた。)
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