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Qウツロイシティ再び ウツロイシティ− 古代聖騎士の修練場だった街、数ヶ月前に魔傀の魔爵の遊戯の舞台となったこの街は、今はその時の傷を癒やして聖騎士の修練と冒険者の技量上げの場として隣国にも周知されていた。 そして今回の召喚術士技量競技大会の競技場となったウツロイシティは、大会開催中は来賓としてやって来る各国の要人警備のため、関係者以外は一部の居住区に移された。街の周囲には四大公の警備部隊の駐屯地が築かれたが、軍団規模が滞在地が四方に展開されているため街が一回り大きくなったように見えるかもしれない。 「うわあ、なにこれ?こんな大きな魔晶石があったんだ」 銀髪の美少女が中央広場に設置された大型の魔晶スクリーンを見て感嘆の声をあげた。 「MADE in リフォール王国なのです。ヒュルムお母さんも関わっていたんですよ」 桃色のストレートロングの髪の美少女がエヘンと胸を張って説明する。 「へぇ〜、アウルムさんのお母さんが造ったの?凄いなぁ、魔晶石の結合ってかなりの技術だよね」 「凄く大変だったと言ってました。確かこれに投影する映像を撮影するゴーレムも造っていたはずです。陸・海・空と三タイプあって…。今回の大会をただ投影するだけでなく、きちんと記録に残すのだと思います」 「マスターの予選はこれで観覧する事になるのかぁ」 「ところでリオさん。マスターが予選で誰を召喚するとか、何か聞いてますか?」 リオはブンブンと首を降った。 「まだ予選の競技内容もわかってないからだと思うけど。何も言わない人だからね」 「いえ、マスターはこの大会に私たちを召喚しないとお考えなんだと思います。恐らくは戦闘用の… クエストにお連れになっている方々なのだと思うのですが、私は面識がないのです」 Kの予選を案じるアウルム。しかしリオもKの戦闘用魔物についてはあまり知らなかった。 「ジャッキー君とポッチー君だったら会ったことあるけど、他の魔物には会ったこと無いなぁ」 KはSALONとクエストでは完全に線引きをしていた。元々の契約に至る経緯も異なるからだ。クエストに連れて行く魔物は主に災厄戦で保護した魔物であり、館のサキュバス達はSALONのスタッフとして新規に募集したのである。魔族であるから強い者もいるが、非戦闘要員としてクエストに同伴させる事はなかった。 「ようよう、そこの可愛いお嬢さんたち!俺らと遊ばねぇかい?」 「この街が初めてなら案内してやっても良いぜぇ〜?」 突然生じた下品な声。嫌々に振り返ったリオとアウルムの目に、いかにもゴロつき風の男二人が下卑な笑みを浮かべているのが映った。 「別に初めてじゃないけどね」 「ええ、少し前に来たことがあります。貴方達はいつ頃にここにいらっしゃったのでしょうか?」 リオとアウルムは、いやルリカやティアを含めてド・レインのかなりのメンバーがここウツロイシティにやって来ていた。Kを狙った一連の暗殺計画の集大成がこの地だったからである。 「俺達が来たのは一ヶ月前さ。だから大分詳しいぜぇ」 「そうそう、今回の大会のせいで居住地は限られてるけどさ。前に来たって事はまだ知らねぇだろ?最近出来た美味しいスイーツを出す店とかさ!」 美味しいスイーツのお店?そんなものが出来たのかと一瞬思考がこのワードに行ってしまったリオだったが、勿論この誘いは辞退した。 「悪いけど僕達はその大会の関係者だから。まぁ情報ありがとう。そのうちに行くから今はいいや」 アウルムも短めに礼を言い、その場を離れようとするとゴロつき達が態度を豹変させた。 「おい!こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって!」 「こうなったら嫌でも何でも付き合って貰うぜ!」 ゴロつきの手がアウルムとリオの肩を掴む。 「なに…触ってんのさ…」 「とても失礼なのです!」 歩みを止めた二人が振り向きざまに魔導弾(マジック・ミサイル)を撃ち込もうとした時だった。 「こらーーーーーーっ そこーーーーっ なにやってるんですかーーーーーっっ」 大きな声が背後からした。 「げっ あれは荒くれ…」 「暴力おん… いや、あれは…」 その声に振り向いたゴロつき達が硬直する。逆に歓迎の声をあげたのはリオとアウルムであった。 「リーマさん!」 「お久しぶりなのです!」 「あ、やっぱりリルさんとアムさん…いやリオさんとアウルムさんだっけ。ごめん、まだ慣れなくて」 駆け付けた来たのは聖騎士の警ら用の制服を着た元気いっぱいの少女であった。聖騎士志望のリーマは三ヶ月前にここウツロイシティで起きた魔傀の魔爵が起こした事件に巻き込まれたが、その後に念願叶って聖騎士見習いとなっていた。 そしてその事件の時にリオとアウルムは、自らの出自を偽装するためにそれぞれリルとアムと名乗っていたのである。 「別にどっちでも良いよ。それにしてもその制服、良かったね。聖騎士さんになれて」 「いえいえ、まだ見習いなんですよ。今は…」 ガールズトークはいつどこでも始まるものだ。ゴロつき達を蚊帳の外に少女達は再会の喜びを語り合い始めた。 こそこそ…。ゴロつき達がその大きな体を小さくしてその場を離脱しようとした時だった。
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