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㊱クレリアと東の双龍姫 「あー、やっぱりいた!思った通りね!ファユ?」 「ええ、本当に来るなんて!思った通りよ。イリィ?」 元気な声達がクレリアを中心とした半径10mの無人圏内に入ってきた。 (あ、そっくりな顔…。双子なのかな?) リオではなくクレリアに向かってスタスタとかなりの速度で迫ってくる二つの愛らしい顔立ちの女の子達。それを見るや、クレリアも動いた。 ガバッ! 一気に間合いを詰めた達人級のハグ。 「やあ、イリィにファユ。久しぶりだね!元気にしてたかい?」 「なっ なななっ 何よ!いきなり抱きつくなんて!」 「そそそそ そうよっ いきなり抱きつくなんてマナー違反だわ!」 抱きしめられている双子風の女の子、イリィとファユはアタフタとしながら、赤面し声をあげる。 「こらこら、ちゃんと挨拶をしないといけないだろう?お前達は」 イリィとファユが突破してきた人垣から、紫色の魔法衣を纏った落ち着いた雰囲気の男が入ってきて、ワーワーと声を上げる娘二人を叱った。 「やあ、カロンじゃないか。なるほど、東は君を参加させたんだね。納得の人選だ」 「お久しぶりです。クレリア姫。イリィとファユは未だに子供でいけません。失礼をお詫びします」 カロンと呼ばれた紳士が頭を下げると、未だクレリアのハグから脱せないでいるイリィとファユは首を振りながら反論する。 「違うー、私達子供じゃないもん!クレリアがいきなり抱きついてきたんだー」 「そうー、抱きついて来なければ私達はちゃんとご挨拶できたもん!」 「そうか、ではちゃんとご挨拶しなさい」 カロンがそういうとクレリアが二人をハグから解放する。 「「むーー」」 ふてくされ気味の二人は、それでもカロンの言う事を聞いて挨拶をした。 「「ご機嫌よう。クレリア姫」」 (わー、可愛い…)二人は全く同じ動きで、スカートのちょいと持ち上げて、そして可憐にお辞儀をする。その仕草にリオはキュンとして見惚れてしまった。 「うん、ご機嫌よう。ファユ姫、イリィ姫」 (うわぁ…) クレリアが優雅に頭を垂れる、ただそれだけの仕草にリオは暫し時を忘れた。 「では、挨拶もすんだし…」「そろそろ本題」 ファユとイリィは、トコトコとクレリアに近づくと、キッと鋭い視線を向けた。 「ねぇ、クレリアはKにもう会ったの?」 「正直に答えた方が良いと思うよ?」 「え、マスターに?」 クレリアに発せられた問いかけに、Kの名前が出た事に驚いたリオが思わず溢してしまった。もちろんファユとイリィが聞き逃すはずがない。 「ねぇ、貴女。Kの事をマスターって、いったい誰なの?」 「ねぇ、正直に言わないと、私達あなたに何をするかわからないよ?」 ぐるんと首を向けてリオを睨む二人。いや眼光だけでなく強力な威圧感がリオを襲う。 「え、ぼ…僕は、マスターに召喚されて契約している者です…はい」 「ふーん」「契約…ね」 睨みながらリオの周りをグルグルと回る二人。 (えーん、可愛いのにぃ、すっごく怖いよー)何の罰ゲームかとリオは思った。Kのために試合の組み合わせを見に来ただけなのに…。 「まぁ…いいわ。私達の方が可愛いから」 「えぇ…そうね。私達の方が強いしね」 可愛いし強い、それが全く嫌みに聞こえない。でも悔しい! 「そ…そりゃあ君達は可愛いし強いかもしれないけど、僕だって!」 リオがファユとイリィに抗議をすると、カロンがグイッグイッと二人を背後から抱きしめた。 「どうやらこの人はK殿の大切な方らしい。何しろ試合の組み合わせを確認に来ているのだからね。良いのかな?君達の事はきっと報告されると思うけど。こんな失礼な事を言ったと知られても、良いのかなぁ〜」 「「うっ!?」」 カロンの囁きでみるみると青ざめていく二人。 (こういうわかりやすい反応は可愛いんだけどなぁ)リオは思わず苦笑する。 「ご ごめんなさい。貴女も可愛いわ」 「ごめんなさい。きっとお強いのでしょうね」 可憐に謝罪をする二人を見ると、先程の無礼も許したくなる。 「K殿の使役…いやご友人ですかな?私はカロンと言います。今大会に東の大国の代表として参った者です」 「リオと言います。その…よろしくお願いします」 ちゃんと謝る事が出来たイリィとファユの頭を撫でてから、カロンは深々と頭を下げてリオに謝罪をした。
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