コピー
㊲ミュオンと一緒に組み合わせをみよう 『はーい、皆さん!こんにちはーーー』 本大会実況担当のトクファ・ズィームの声が中央広場に轟いた。 『これから召喚術士技量競技大会・本戦の組み合わせを発表致しまーーす。発表は魔晶スクリーンにも投影されますので、そちらもご活用下さいませーーー』 「あ!間に合いましたよ。リュネイ様!それにここ空いてます!…あれ?リュネイ様?リュネイ様ぁーーー!?』 可愛らしい毛玉がクレリアの絶対制空圏(並の男が近づけないオーラが漂う領域の事)に入り込んできた。途端、パニックになって泣き出す。 「え、あの…君。大丈夫?」 リオはカロンにその場を離れる事を告げると、駆け付けて様子見てみる。毛玉は目にいっぱいの涙を浮かべていた。 「もしかして…迷子?」 「リュネイ様と一緒に試合の組み合わせを見に来たんですが、リュネイ様が迷子になりまっした…」 (うん、そういう事にしておこう) リオは微笑むと毛玉に迷子になった状況を聞く事にした。組み合わせ発表が始まるがスクリーンに映るなら、この子の迷子のご主人様を探してあげてからでも良いだろう。 『えー、組み合わせはこの抽選ボールとルーレットを用いましてー。判定委員会の厳重な監視の元で行われますー』 スクリーンにルーレットが映し出される。よく見ると第一試合から第六試合までがそれぞれ二つずつ枠に書かれていて、枠の総数は十二だ。どうやら出場召喚術士の名前がボールに書いてあり、それが入った枠で試合の順番がきまる仕組みらしい。 「ええっと… リュネイ様はリンゴ飴を買って下さるまではいました!それで…」 (うーん、辿り着くかなぁ…リュネイ様とやらに…) 苦笑しながら毛玉の話を聞くリオ。 『では判定委員会の委員長を務めるガゾムさんにボールを投げて頂きましょうー。ガゾムさんは皆さんご存じのように聖王国パルナの宰相を務めておられますー』 「え!あの人ってパルナの宰相だったの!?」 抽選ボールを手にしているのは、予選会でKに不正疑惑を突きつけた男だった。意外と国政に疎かったリオだったが、王都に住んでいたとしても顔を見る機会は少ない王宮付の政治家であるから顔を知らないのは仕方ないかもしれない。 『ではルーレットスタートォーー』 トクファの合図に併せてルーレットが回転を始める。 『ではガゾムさん!ボールを入れて下さーーーい!』 『うむ!どりゃあー』 (あ、ノリノリだ)先日の険しい顔はどこへやら、満面の笑みを浮かべてボールを放るガゾム宰相。 『さぁー、ボールが枠に入っていきますよー!どれどれーー?』 ルーレットを確認するトクファの動きにあわせて、スクリーンに投影するための撮影ゴーレムもこれに構図をあわせていく。 『さぁ!決まりましたよーー』 広場に集まった者全ての目が魔晶スクリーンに注がれた。 ☆召喚術士技量競技大会・本戦(第一回戦) ★第一試合 ガイ VS リュネイ (召喚術士G) (リフォール王国) ★第二試合 K VS ゾルゲイ (予選1位) (北の大国) ★第三試合 カロン VS リウト (東の大国) (パルナ) ★第四試合 ジャスティ VS マイト (召喚術士J) (予選2位) ★第五試合 ブッコ VS クィーンクィーン (黒の大陸) (召喚術士Q) ★第六試合 L・D・ロロス VS ゼル (魔術師ギルド長) (召喚術士Z) 「あー、リュネイ様は…。……あのぅ…読んで頂けませんか?」 どうやら毛玉は文字に疎いらしかった。 「え?君のご主人様も参加者だったの?そ…そっか」 この毛玉のご主人様が?と一瞬疑ったが、スクリーンを見るとリュネイの名が映し出されている。 (リュネイってリフォール王国の代表なのか…) 「ええっとね、リュネイ様は第一試合だね。相手はガイ…魔術師ギルドの人らしいよ」 「第一試合!ガイ!覚えました!」 「あはは、良かったね」 リュネイというのは今回の大会が不穏なものとなった原因かもと言われているリフォールの代表だ。でも… 「リュネイ様は優勝します!そしてリフォールの橋になるのです!」 「橋?うーん、なにかの橋渡し的な感じかなぁ?」 「違った!星です!」 「ああ、星ね。それならわかるや」 朗らかなトークが続く。この毛玉の主人がそんな陰謀を企むものだろうか?そんな事を考えながらもリオは組み合わせをメモるのを忘れなかった。
スレッドに戻る
☆グラビアBOX☆
掲示板カテゴリ検索
写メ/待ち受け
動画/ムービー
音楽/エンタメ
雑談/その他
趣味/スポーツ
無料レンタル動画まとめ
e-Movie
無料レンタルBBS
ebbs.jp