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E召喚術士技量競技大会 「さてと… どこまで話したかの?」 嵐の如くやって来たJことジャスティが、そよ風のように意気消沈して帰って行った後、ロロスとKは応接室へと移動した。 「いえ、まだ全然」ロロスのボケをお約束で突っ込むK。 「だが、用件はわかっておるのだろう?マスターK」 微笑みながら訊ね返すロロスにお茶を出しているのはアウルムである。 ここ聖王国パルナに止まらず、東の大国や北の大国、リフォール国もある西の聖教連合国家群、南の連邦国郡にも支局を持つ魔術師ギルド、その本部ギルド長が来ているのである。アウルムの好奇心は絶賛全開中であった。 「ええ、例の大会への出欠についてかとは思っています。先程ジャスティにも話されていましたから」困り顔のK。 どうやらその大会にKは出たくないらしい。アウルムは察しつつハーブティをKに差し出した。 「K殿のお気持ちはわかるつもりだ。ワシとしても遺憾に思っておるのだよ。このような大会はな」 「その上でギルド長は自ら僕に会いにいらっしゃった。何かありましたか?」 俯きがちなロロスに優しく声をかけるK。 「うむ。かなり由々しき事態になってきておる」 顔を上げたロロスの視線はKを射貫くようであった。その気迫を感じたアウルムは二人の会話…いや対談を邪魔しないようにと部屋から出ようとした。 「ああ、お嬢さん。大丈夫ですよ。居て頂いても。これから話す事は近い将来、それぞれの国家から正式に発表されるだろうから」真面目顔が一転、笑顔でアウルムに話しかけるロロス。「ただかなり物騒な話ではあるが」と断りを付けた。 「ありがとうございます。マスターに関わる何かしらの大会と聞こえたので、気になっていたのです」 それに好奇心も刺激されたアウルムは、Kを悩ます大会について知りたくなっていた。 「宜しいかな?K殿。貴殿の契約魔物にも関係する話題ではあるからの」尋ねるロロスにKは「ええ」と頷いた。 「K殿に参加要請させて貰ったのはな。召喚術士による… いや正式名称の方が良いな。ええっと…『召喚術士技量競技大会』というものについてなのです」 「競技大会?それは魔術師ギルドや魔術学院のレベル審査会のようなものなのでしょうか?」 聞き慣れない大会名だったため、アウルムは比較対象になりそうなイベントを引き合いに出した。 「いや、規模が全然違うのですよ」 「?」はてな顔のアウルムに今度はKが答えた。 「この大会はね、アウルム。西は聖教国家群から、北は北の大国が、そして東は東の大国まで… 大陸間で国交があるほぼ全ての国に参加要請の親書が送られているんですよ」 「え? そんな大規模な…」 そうなると、ただのレベル審査会程度の内容であるはずがなく、アウルムの可愛い頭の中には物騒な協議内容が過る。 「そう、協議内容は闘技。召喚術士が契約した魔物を戦わせて優劣を決める大会というわけです」 Kの手がギュッと握られるのを見たアウルムは、Kの辞退理由を察した。 「それは!…マスターが固辞するのは当然なのです!魔物は…魔族も…戦いの道具なんかじゃないのです!」 その感情は怒り、その視線はそんな大会にKを出場しろと言いに来たロロスに向けられた。 「当然の反応だ。お嬢さん。だがワシもギルドと学院を預かる身だ。安易な勧誘をしに来たのでは無いと考えて欲しい」 情熱サキュバスの鋭く真っ直ぐな瞳を真正面から受け止めたロロスは懐からスクロールを一つ取り出した。 「見てくれ」広げたスクロールには主に大会の参加要項が書いてあった。 「いや…これは…」「そんな…」Kとアウルムがほぼ同時に唸った。 「わかって貰えたかの。由々しき事態というのが」ロロスの声も震えていた。 以下にスクロールに書かれていた要項と問題点を記す。 ☆正式名:召喚術士技量競技大会 ☆参加資格:単独召喚可能、国家戦力登録 ☆対決法:コロシアム方式による勝ち抜き戦(ポイント制、ポイントは可変式)一試合召喚数は五体まで。 ☆罰則:大会期間中の大会外戦闘の禁止。他は外交規約に従う。 ☆開催本部:魔術士ギルド、魔術学院 ☆判定委員会:参加国の外相・宰相クラス ☆国賓予定:パルナ国王 ☆警備担当:パルナ四大公 ☆開催会場:ウツロイシティ(パルナ王国) ★北の大国、東の大国、西の聖教諸国、聖王国パルナ、黒の大陸からそれぞれ一名 ★魔術師ギルド:四名 ★開催国枠:一名 ★予選突破者:二名 本戦は一二名によるトーナメント
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