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[403]SHIRIAI
emoji[clock]01/29 12:16
【妄想小説】5

『箱』

彼女はいつも煌めく日差しを浴びながら羽毛のように軽やかなステップで私の前に現れる。
手を差し伸べれば一生の幸せがそこにあるのだ。
しかし、それはもろいガラス細工のようにも思え、手を繋ぐことさえ出来ないでいる。そんな自分に不甲斐なさを感じずにはいられない。

今日、彼女が私の家に来る。信じられない事だが、昨日そう約束をしたのだ。
通りで待つ。家の門で待つ。部屋で待つ。落ち着かず時間が進まない。緊張して何度もトイレに行き、何度もファスナーを確認して、そうこうしているうちに呼鈴が鳴る。
落ち着いて、落ち着いて満面の笑顔で迎えようと扉を開けると、彼女の哀しそうな顔。

「ごめんなさい」
そのまま彼女は泣きながら俯いてしまった。
ゆっくり話を聞いていくと私の血の気が引いていくのを感じた。もう私の地面は消え去り、光は何光年も先に彼女がポツリと見えた。

彼女は伯爵家の令嬢で親の決めた相手と結婚することが決まったと言うのである。最後に、
「この人形に私の気持ちを込めたから」
と箱を渡され、そして彼女は去って行った。

私は宇宙の暗闇に一人いて、側には箱が一つ。
宇宙を満たすほどの涙を零しながら箱を開けた。

「ジャジャジャーン!」

彼女が出てきた。

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