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[406]SHIRIAI
emoji[clock]02/04 22:40
【妄想小説 】8
『ポルノーガイスト』

冬、ストーブを焚いた室内で執筆に熱中していると、酸素不足で頭がのぼせてしまうので、私は真夜中でも散歩に出かけることがある。しかし既にガス灯は消えているので、カンテラを持たなければ月あかりを頼りに歩く他はない。

その夜も月にかかりそうな雲を気にしながら歩いていた。すると、猫の睨み合う声か、赤ん坊の声か、あるいは、と耳を澄ませば女の微かな悲鳴。
辺りを見回しながら好奇心に吸い寄せられて行くと、屋敷の少し開いた門の先に、蛇行する石畳、月が雲に隠れ、そして薄明かりの窓。
胸の鼓動が家主に聴かれはしまいかと心配になるほど音を立てていた。
窓を覗いて私は息をのんだ。
細身の若い女が、絨毯の上でうつ伏せになって寝ている。全裸である。
私はまばたきもせずに固まっているが、頭蓋骨のなかで血液が沸騰している。

しかし、女の様子がおかしい。そのまま目を凝らしていると、女の足先は紐で引っ張っぱられているかのように徐々に背中を伝って頭上を通り過ぎた後、床に着いたところで身体が回転を始め、そして窓際、私の方へ。
「しまった!」
月は雲から出て私の姿があらわになっている。
慌てて振り返り、走り逃げる背中でガラスの割れる音。いばらの棘、樹木の枝、石柱の肌に体をぶつけながら屋敷を逃げ出し、石畳の道を踏み外して川へ転落。後ろで何かが続けて川に飛び込む音、必死で、必死で逃げる、逃げる、逃げる。


目覚めるとベッドに居た。
「夢か」
とホッとして、起き上がり、痛む体を引きずるようにバスルームへ行くと、鏡の私は血だらけであった。

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