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[408]SHIRIAI
emoji[clock]02/08 22:13
【妄想小説 9 】
『Eine kleine Nachtfotos』

私は、大公陛下の密命により、黒い森に潜む魔女を捕らえる為、一人で捜索をしていた。
二十世紀初頭、飛行機が飛び始めた時代に魔女捜索とは恐れ入る。尤も、森林を馬で狩猟していれば給金が得られるのだから儲け物ではある。

ある厚い雲に覆われた日の夕暮れ、足元のポインターが低く唸った。馬は怯えた様子。昼なお暗い黒い森。通常なら既に引き返しているが任務成就の為、進まざるを得ない。馬を降り犬を制した後、巨岩の裏へ忍び寄り、恐る恐る覗いてみれば、草叢に若い女が寝ている。私はそのまま見たこともない程美しい寝姿に見惚れていた。

暫くして、馬が息を震わせた音に女が起きてしまった。
「女、そこで何をしておる」
「赦し給え、お赦し給わりませ」
古くさい返答に面喰らったが、直ぐに帰す訳にはいかず話を聞いた。

女は、虐められた修道院を逃げ出した後、魔女として追われ、魔女裁判にかけられる寸前ここに辿り着いたと言う。
魔女狩りをしていて何だが、今時、魔女裁判とは時代錯誤である。しかし、修道院内の虐待の隠蔽目的となれば、あり得ないことでもない。
私は、話を聞く間、女の美貌の虜となり、我が家で匿う(かくまう)ことさえ考えていたが、その夜は取り敢えず馬で警邏小屋まで女を連れ帰って休ませる事とした。

夜明けには程遠い時刻。私は、男女の破廉恥な想像の果てに彼女との仲睦まじい夫婦生活を思い描いていた。
「おいとま致しとう存じます」
控えめな女の一声に、私の一時の幸福絵画は破れ去った。
小屋はライン川の支流の側にあって、満ちた月が川面を照らしていた。その光の中を女が礼を言って去って行く。
私は慌てて腰にぶら下げていた写真機を取り出し女を写した。

月明かりで撮れるはずもないが、何かが残ればという淡い恋心だったのだろう。
ところが、その日現像すると、くっきりと光の中に影が写っていた。それは紛れもなく箒に乗って去って行く魔女の姿だったのだ。

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