コピー
開いたドアの外側から、まだ見ぬ客人の噂話を囁き交わすような、深く連なり合う木々の葉擦れが聞こえてくる。 壁際に置かれたベッドと対する場所に位置した、光に包まれる部屋の入口に佇みその人が言う。 「目が覚めたみたいだね」 涼やかで、且つ落ち着きのある、それでいて凛と澄んだ綺麗な声だと思った。 月明かりを背にした細身のシルエット、揺れるスカートの裾端、家主であろうこの人物は女性なのだと感じることができた。 「嗚呼そのままで居てくれ。今、電気を点けるから」 慌てて動こうとする俺を言葉で制し、ドアを閉めながら女性はすぐ横のスイッチに手を伸ばす。 幾度かの明滅の後、全貌を現したこの部屋が、角が無く、円を成しているのは少し意外だった。 白い壁が明るい、程良い広さの円柱型の部屋。 しかし室内に目を配るのもそこそこに、こちらへと歩み近付く女性の姿に気が付けば視線を奪われていて、俄かに緊張した俺は自分がどんな表情をしているのかさえ、考えを巡らせる余裕もない。
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